第110話
暗殺術の中で由香里が
毒の種類、
「心配ないぉ。ミスってもぉ飲んでもぉ
おっかなびっくり毒を調合する由香里に、ビーはキャラキャラ笑いながら言った。
「
そして由香里が毒にあたると、ビーはウサギを連れてきて人の姿に戻した。アズキはビーの本の中、毒に苦しむ由香里を抱いた。由香里はアズキに抱かれぬように、毒と
「由香りんはぁ抱かれるのがぁ
「えっ……えっとー、うーん。イヤっていうか何て言うか……、しなくて済むならそれに
「うにゃにゃ。おんだぉん」
ビーは作業テーブルの上に座って足をブラブラさせた。その横で、由香里は毒を調合中。アズキは、危険なので別の小屋でお留守番。たぶん今ごろ
「ほとんどの女神がぁツガイモにぃ
「……そうなんだ」
「由香りんがぁ抱き合う快楽と聞いてぇ思い浮かべるのはなあにぃ?」
「……両親かな」
由香里は二種類の粉を加えてかき混ぜた。ボッ、と紫色の炎が上がる。
「二人が快楽に
さらに数種類の材料を加えて混ぜ合わせると、色と臭いが消えて、トロリと流れる毒になる。……毒を作りながらする話じゃないよなぁ。由香里はため息をついた。
「うにゃん。にゃんにゃん。由香りんにぃその心配はなくなくなぁぃ?」
「あ、うん。そうなんだけどね」
女神に子供はできない。
「それにぃアズキはレアだからぁ子供ないんだぉ。ツガイモのレアの精はぁ子供をつくる成分がゼロだぉ」
「え、そうなんだ」
「アズキと体を重ねることはぁ由香りん嫌ではないんにゃない? 気持ちいいはずだぉ」
由香里の手が止まる。ふーっ、と息を吐いて落ち着いて、
「快楽はぁ悪いことではないぉ。生きる上でぇ
「……うーん、そうかもしれないけど……」
由香里は無事に毒を作り終えると、次は解毒剤作りに取りかかった。
「
「……うーん、何て言うかこう……。なんか自分がなくなって、感覚だけになっていくような、押し流されてのみ込まれるような感じが怖いっていうか……。
由香里はゆっくりと材料をかき混ぜる。
「ならないぉ。快楽にぃどんなに深く
「え、食べ尽くしたの?」
思わず由香里は手を止めてビーを見た。
「おん。もうお腹いっぱいだぉ」
ビーは
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