第104話

 由香里の話を聞き終えて、ビーはうにゃ~んと体をかしげた。

「うにゃんだぉ。それでぇ由香りんはぁあたしからぁ何を教えてほしいのかにゃん? ナルシィにぃ武術のイロハは教わったんにゃろん」

「うん。でも夢の中で、ナマコムシにすべがなかった。宮殿の中にいる得体えたいの知れないものから身を守る術を教わりたい」

 ビーは大きな目をくりんとさせてキャハッと笑った。

「いいねぇん。そういう真面目まじめなぁ目茶苦茶めちゃくちゃはぁ大好物だぉん。敗北はいぼくもぉ失敗もぉ沢山だくさんのビーにぃおまかせだぉ」

「おいおい、それって、失敗しまくってきたってことじゃねーのか?」

「そうだぉ。失敗経験のとぼしい者や負けなし者やおのれかえりみない者はぁ使えない厄介やっかいなぁお荷物だぉ」

「そうなの?」

「そうだぉん」

「まぁ、確かにそれはあるけどな」

「ではではぁさっそくぅスタートだぉん。レッツゴーゴーだぉ。ワクワクしちゃってついて来てねぇん。うきゃんだぉん」

 ビーが嘻嘻ききとして木をりた。由香里は怖怖こわごわその後をついて行った。


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