第93話

 ガクンッと頭から落ちたような感じがして、由香里は目を開けた。

 木目もくめの天井。やわらかな間接照明のようなかり。木造の部屋の中。どうやら時刻は夜中らしい。由香里はベッドに横になっていた……。Tシャツもちゃんと着ている。やぶれてもいない。大丈夫だ。

 となりではかわいいウサギがスヤスヤと枕に頭を乗せておやすみ中。由香里はふわりとほほ笑んだ。

 アズキから天井に視線を戻す……。

 ツッチーはどうしたのかな。……よくわからないけれど、私の中が心地良ければいいのだけれど。……ナルシィの魂は天にのぼっていったらしい。晴れ晴れとしたナルシィの笑みを思い出す。……祖父じいちゃんも祖母ばあちゃんもシマも、満足してったのかな。そうだといいなぁ。

 私の大切な人たちの魂が、やすらかでありますように……。



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