第81話

 小屋に着くと、ツッチーはテキパキと手際てぎわよく布団をいて、由香里を寝かせた。

 おどろいたウサギがピョンピョンまわりを飛びねる。

「由香里、どうした⁉ ボロボロじゃねーか! 大丈夫か⁉」

「うん。もう大丈夫」

 由香里の声は眠そうだ。

「発作はおさまったのか? あそこで何があったんだ?」

「あぁ……。うん。何も。ただちょっと、疲れただけ」

「ちょっとも何も、全然大丈夫じゃねーだろ⁉」

「アズキ、静かにして下さい」

 ツッチーは五月蠅うるさいウサギを前足で押さえつけた。

「由香里、どうぞお休み下さい」

「あ、うん。ありがとう。おやすみ」

 由香里は目を閉じ眠りに入る。

 ツッチーに𠮟しかられたアズキは大人しく、静かにそっと布団の中にもぐみ、由香里の腕の中におさまった。由香里の呼吸が寝息にかわる……。由香里は泥のように眠った。





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