第43話
その後、アイリスは由香里とペチャクチャおしゃべりに花を咲かせた。
「まさか、目が覚めたらそこは異世界だった、なんて。トンネル……は雪国か。穴に落ちたとか鏡とか死んだとかならわかるけど」
由香里が、あーぁ、と天を仰ぐ。
「あー、そっか。死んだのかも。寝てる間に突然死したのかなぁ」
「んー、それはわからないけど。由香里の世界では穴に落ちたら異世界なの? 鏡?」
「あ、いや、そうじゃないけど、そういう不思議の国の物語があるから。
「ん、いくつもあるの? 不思議の国、異世界の入口が?」
「うん、たくさんあるよ。ドアを開けたら、水に落ちたら、霧の中、森、
「そんなに⁉」
アイリスが目を丸くする。
「由香里の世界は不思議がいっぱいなのね! んー、その異世界の入口、興味あるわ。もっと詳しく教えて。
アイリスは目を
「アイリス、もう日が
チャシュが、アイリスの肩に飛び乗って前足でアイリスの口をふさいだ。
「んー」
アイリスが
「由香里を休ませてあげないと。
「ん、それはそれで興味あるわ。んー、わかったわ。じゃあまた明日ね、由香里。バーイ」
アイリスは肩の上にチャシュを乗せ、楽しそうにドアの向こうへ消えた。キノコ料理の話で盛り上がるらしい。
由香里の世界では猫がキノコ料理を食べるなんて聞いたことないけど、この異世界モルモフでは普通に食べるのかもしれない。
由香里はベッドに座って
「やっと静かになったな」
ウサギが大きく
「由香里、
アズキの目が
「ご
「そんなぁ〜」
アズキが枕の上に
「由香里が
泣き
「ご飯にしようね」
由香里は笑いながらウサギを抱き上げた。
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