第40話
「由香里、風呂長すぎ。のぼせてないか? 大丈夫か?」
アズキが心配そうに、由香里の顔をのぞき込む。
由香里はちょっと
「そんな
「五ヶ月? えっ、そんなにたったっけ?」
「発作を起こして意識不明二ヶ月、人形みたいに眠って三ヶ月、合わせて五ヶ月」
「え、そんなに……そうなんだ。そっか5ヶ月も。……アズキはツガイモだから、ツガイモは女神を抱くのが仕事だけど。でも、私を抱くのは
「は?」
由香里は手を伸ばしてアズキの髪に触れた。
「そんなに毎晩抱かなくていいよ。もっと回数減らしても、私の体は大丈夫だと思う。息が苦しくなったら、そう言うから」
アズキは
「もっと抱いて! って、せがまれた事は数え切れないけどな。回数を減らして、なんて言われたのは初めてだ」
由香里は心配そうな顔をした。
「体は大丈夫なの?
「ないないない。そんなんで死ぬ奴なんか、まずいねーよ。その前に精が
「過労したら
「まぁ、そうだな」
アズキは由香里に体をよせた。風呂上がりの匂いがたまらねぇ……。緑色の目が濃くなった。
「……アズキ?」
後退る由香里の背中が壁に当たった。
「これは仕事じゃねーよ」
「じゃないの? え、えっとー、その……アズキ、とりあえず、今すぐウサギに戻って、ね」
アズキが
「ウサギの姿はこの後で。今は抱かせて」
そう言って、アズキは由香里にキスをした。
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