第36話
由香里は短大を卒業し、一人暮らし、社会人デビューした。
由香里は会社で、仕事よりも人間関係で、つまづき転んでリタイアした。
由香里は入社当時から、ちょっと周囲から浮いていた。けれど長いぼっち生活で、由香里は一人に慣れていた。学生時代も教室の
由香里か入社した時は、残業が当たり前だった。サービス残業が
「手が
しだいに他の人の仕事が由香里におりてくるようになった。
「まだまだ
「それもう終わったんでしょ。だったらこれもお願い。こっちは
由香里は周囲を見回して、首を
けれど由香里には、
「ペーパーレス化! IT!
ある日、由香里は勇気を
「
上司は顔をしかめて言った。
「そうか? 大変そうには全然みえないんだけどな。仮に仕事をなくしたとして、その空いた時間を、あんたは何する? 何もしないだろ。なんていうのかな〜、どうもこう、やる気が見えないんだよ。もっと頑張ってほしいんだよな」
由香里は
そこでようやく由香里は自分の
上司も周りも誰ひとり、由香里の仕事を見ていなかった。誰も効率化なんて望んでなかった。そんな事をしたら、やる仕事がなくなってしまう。望んでいたのは非効率。おしゃべりというコミュニケーションをとりながら、時間をかけて忙しく仕事をしてるフリをする。その方が高評価。大切なのは、自己アピールと自己主張。
それなのに由香里は全て逆をやっていた。
そんなこんなで
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