第25話

 ドアを開けると、アズキが壁にりかかって待っていた。人のアズキは背が高いな、と由香里は思った。

「由香里、長いよ。風呂長っ。……具合悪そうだけど、のぼせた?」

 アズキが由香里の顔をのぞき込む。由香里は顔をそらせた。

「少し。疲れただけ」

 由香里はそのままベッドにもぐり込むと目を閉じた。ウサギの姿になったアズキが腕の中にふわりとおさまる。由香里はふわふわぬくいやわらかなウサギの体を抱きしめた。

「おやすみ、アズキ」 

 そして由香里は心を閉じた。


 

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