第14話
気がつくと、由香里は白い部屋の中にいた。
体中、痛くはないけど包帯だらけ。幽霊というよりゾンビかも。右手首の包帯が、半分ほどけて
由香里は驚いて飛び
この体、壁の通り抜けはできないらしい。ただ
声のする方に目をやると、裸の男が三人、壁の修復作業をしていた……。三人とも見覚えがある。壊れた壁にも身に覚えがあった。
「あの女は頭がおかしい!」
一人が怒鳴った。
「ここは女神の
怒鳴り男はそう言うと、
「ウサギは食うな」
二人目は命令口調。
「あれはツガイモだ。殺すな。それと、これはわかっていると思うが、間違っても、勢い余って女神を殺してしまった、なんて事のないように」
「なんだテメーは! 偉そうに。やんのかオラー!」
狼が吠えると、命令男はヘビになった。
「まぁまぁ、そうカッカしないで。二人とも、
三人目が割って入った。
「彼女はもう死んでるよ。宮殿の外に出たんだから。ウサギも今ごろ石になってるんじゃないかな。君たち二人も、ケンカするなら外でやってくれないかな。それともここで静かに次の女神を待つか。どちらかを選んでよ」
由香里は口を押さえた。声を
どうなってるの⁉ 人がヘビと狼に⁉ ザーザー音が聞こえない。なぜか言葉が聞き取れる。そういえばアイリスが、半人がどうとか言ってたっけ……。でも今は、そんな事より逃げる事。問題は、どうやって?
逃げ道を探す由香里。その手が
ドアの向こうに飛び込むと、そこもまた白い部屋。由香里の後ろで音もなく、ドアが消えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます