第10話
あれは今から三年前。
会社の帰り道だった。空も心もどんよりトボトボ歩いていたら、ポツポツ雨が降ってきた。天気予報は大ハズレ。由香里は
はぁ〜ぁ。白いため息が出た。そのため息をかき消すように目の前を、何かがヒュンッと横切って公園の草むらに飛び込んだ! 驚いて足を止めたその前を、今度はリードをつけた犬が横切る! 由香里はとっさにリードをつかんで小型犬を
息を切らせて追いかけてきた飼い主に、犬を引き渡す。そのミニチュアダックスフントは、クゥ〜ンとかわいく悲しげに鳴いて甘えて、飼い主に抱っこされて帰って行った。
震えるウサギの目の前に、由香里はそっと手を出した。ウサギはフンフンにおいを
このままここに放っておいたら、明日にはカラスの朝食、いやその前に、野良猫の晩ご飯になるかも……。由香里はウサギをそっと抱き上げた。ウサギの体は冷たくて、汚れていて
帰ってすぐに
土や
ガリガリに
小豆色のボロ
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