23.
エリーゼの仲間の二人はエリーゼの元へ近寄り、お互いに抱きしめ合っていたのだ。
その光景を見て、俺は、この三人は本当の姉妹の様に見えてきたのである。
俺はそんな、3人の光景を羨ましそうに見ていたのであった。
そんな俺を他所に、3人は話し合いを始めたのである。
どうやら、これから、先に進むかどうかについて話し合っている様だ。
俺達は一度、野営の準備をして休むことにしたのであった。
俺が準備をしている間、俺は皆に料理を作る事にした。
と言っても、俺が出来る事は、スープとパンを用意する事だけだったのだが……。
俺を、他の人達は、不思議そうな目つきをして、俺を見てくる。
彼らの態度に俺は首を傾げながらも、出来上がった食事を、それぞれの前に配膳していく。
そんな俺の様子を、ラバン達は、怪しく思っていたようであった。
そんな、彼等の態度を見て、俺は、内心焦っていたのである。
(しまった!!、こんな時に、いつも、母上が作ってくれていた食事と同じものを用意してしまった!!)
と、俺は思いながら、後悔したのであった。
俺を余所に、彼らは俺が用意した、食べ物を恐る恐る食べ始めたのだ。
「旨い」
誰かが初めにそう言った、すると次々に、美味しい、とか、温かいなどと口々に言い始めて、あっという間に、用意された夕食を食べ終えていたのだ。
その言葉を聞き、俺は嬉しくなったのである。
(良かった!!やっぱりこの味だよ!!)
俺は嬉しくなりながらホッとしていた。
俺に、一人の女性が話しかけてきたのだ。
それは、アンナだった。
「アンナ、どうかしたのか?」
と、俺は聞いてみた。
「いえ、ただ、私達のご飯は用意しなくて良いのかと思って」
そんな、アンナの言葉を聞いた、ラバンが、慌てて立ち上がり、俺達の所へ駆け寄ってきたのだ。
「すみません、貴方方の分を忘れていました。今すぐ作ります」
と言い、彼は、荷物の中から調理道具を取り出して早速、食事を作り始めるのであった。
そんな彼の姿をエリーゼ達は驚きながら見ている。そんな中、ラバンが彼に質問をしたのだ。
ラバンは、エリーゼ達の作った料理を食べた時よりも驚いた表情をしていた。
ラバンは俺にこう問いかけてきたのだ。
そんなラバンの様子を見て、アンナがラバンに、 自分達が作るかと提案したが、ラバンは断ったのである。
そして、ラバンは、俺に話しかけてきたのであった。
「君たちはどうして旅をしているんだ?」
そんな質問に俺は正直に答えたのだ。
俺の話を聞いてラバン達は同情してくれたのだけれど、
「それでも私は貴方達を許さない」
エリーゼ達はラバンに向かってはっきりと言ったのである。
エリーゼの言葉を聞いた俺達は唖然としてしまったのであった。
そして俺はエリーゼ達の顔を見たら、全員決意を込めた目をしてこちらを向いていたのである。
その姿を見て、俺は改めて、彼女達の事を守りたいと思ったのであった。
そんな俺達の姿をラバン達がじっと見つめていた。
そんな俺達を見てエリーゼは、 ためらいもなく、俺達と一緒に戦うことを宣言したのだった。
俺はエリーゼの言葉を聞くと同時に彼女の顔を見て笑みを浮かべていたのである。
そして、エリーゼの言葉を聞いた俺はすぐに決断を下したのである。
俺の言葉を聞いた彼女は俺の手を握り締めたのだった……そんな俺達二人の様子をラバン達は驚いて見ていたのである。
俺はそんなラバン達を見ながら言葉を口にする。
「エリーゼの言う通りだ、俺はお前たちを許すつもりはない」
そう言って、俺は、エリーゼと、アンナを連れて、この場から離れようとしたのである。
そんな俺の行動を止めようと、 ラバン達が俺の前に立ち塞がったのだ。
俺は、目の前に立ちふさがっている奴らを見て、面倒くさいなと思っていた。
そんな俺の考えを察知してか、エリーゼが、俺に語りかけてきたのである。
「ここは私に任せて、貴方達三人は、あの魔獣をなんとかしてくれるかしら」
そんなエリーゼの言葉に俺は驚く、俺だけでなく、アンナもそうだった。
そんな、アンナの気持ちを感じ取った、エリーザはアンナの手を取り、アンナに優しく話かけたのである。
「私だって、本当は、戦いたくないわよ、でも、このままじゃ、あいつは、死ぬことになる、だから、私達はここで、あの魔獣を倒すしか無いのよ、
だから、お願いアンナ、協力して、ねっ!!」
エリーゼは、必死にアンナに頼み込んだのである。そんなエリーゼを見て、 アンナは涙ぐんでいた。
そして、エリーゼに力強く返答したのである。
「分かったわ、私頑張るから」
そんな二人の会話を聞いて、俺は、エリーゼの実力を思い出していた。
(確かに、あの魔獣相手に、一人で倒すのは難しいかもしれない、それにしても、なんだろう、エリーゼの雰囲気が変わったような……)
俺はそう思いながら二人のやり取りを聞いていたのである。
そんなエリーゼの姿に感化されたのか、アンナもやる気を出しているようだし、二人の覚悟を決めた顔つきを見て俺は、
彼女達に提案することにしたのだ。
まず、この先に進むかどうかの判断は保留にしたのだ。
なぜなら、今のままだと全滅してしまう可能性が高いからである。
俺達は、一端引き返すことにしたのであった。
俺達を見送りにきたのか、それとも追いかけるつもりだったのかわからないけども……この森には俺達を追いかけてくる存在がいたのである。
それは、さっきの黒い魔物の親玉みたいなやつだったのだ。
俺達の前に現れたのは巨大な化け物だったのである、俺達の元に一羽の鳥型の生き物が現れたのであった。
しかもそれが人型に変わっていく、俺はそれを見届けると直ぐに振り返ってその場から離れたのである!
俺は腰に差している愛刀を抜き構えたのである。
俺の仲間である、アンナは背中に担いでいた大きな斧を構え、エリーゼは手に持っていた杖を胸元に寄せて、 呪文を唱え始めていたのである。
エリーゼの詠唱が終わると、俺達の上空に無数の氷柱が出現しては、巨大黒豹目掛けて落ちていったのだ。
俺は地面に転がっていた石を拾い上げ、投擲武器にして投げつけたのである。
「当たれえぇ」
その石は見事、巨大黒猫に命中したが、あまりダメージは無いようであった。
俺は、その攻撃では、致命傷にならないと分かりながらも次の手を考え、どうすれば良いか考えていたのであった。
その時、エリーゼの攻撃に続き、アンナが持っている。
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