22.
「貴方の元婚約者本当凄いヒトね」
何て言われているのを俺は聞いて照れた顔をしていると
「ロイス、魔王モードに成った方が良いんじゃない」
俺は不安そうにエリーゼを見つめる。
「駄目だよ……」
そんな言葉を聞いて彼女は悲しげに微笑んだのだ!
俺は思わず彼女を抱きしめたくなって行く、だけど、そんな俺に容赦なく奴等が攻撃してくるので、俺は奴等の攻撃を水弾を使って全て防いだ!
そんな俺の様子を見てエリーゼ達は驚いていたのである。
俺はエリーザ達に近づこうとする奴等を睨みつけて行く。
俺は今、怒っている、あいつらに怒って居るのだ。
それは、何故か? 彼女に馴れ馴れしいから、いいや、俺の誇りを傷つけられたからに違いない。
今までこんな風に誰かのために怒った事はあっただろうか?
俺は、目の前にいるラバンを睨みつけている。
そんな俺を見て、奴は鼻を鳴らして、余裕を見せてくる。
奴は俺の力を侮って居た。だからこそ、こうして俺に勝てると思い込んでいるのだろう。
奴のその態度が、俺の怒りを更に増幅させていく、俺は無言のまま、奴に攻撃を仕掛けようとした。
「おっ、やる気だねぇ、良いぜかかって来いよ、俺はお前に勝ったんだ、その俺の力を見せてやるよ」
俺の言葉を聞いて奴は挑発をしてくる。俺は奴の安い挑発に乗ってしまうほど馬鹿ではない、俺は、奴を油断させるためにわざと負けようと決めたのだ。
俺は奴に水弾を放つふりをして、奴に襲い掛かったのである。
そんな俺の攻撃を見て奴等は驚いた顔をしていたが、奴等は冷静さを欠いていたために対応が遅れてしまった。
奴が焦った顔で、慌てて、剣で防御をしようとしたが、遅い、既に、俺の拳が奴の腹を捉えていたのだ。奴は、痛みに悶え苦しんでいた。
そんな、奴に向かって、今度は蹴りを入れて、吹っ飛ばしたのである。
奴は地面の上を転がっていった。
その光景を見た、他の3人は、唖然とした表情をしていたのだ。そして、エリーゼとアンナの方を見ると二人は俺の方に駆け寄ってきたのである。
「ありがとう、ロイス、助けてくれて」
と、嬉しそうな顔をして、俺に抱きついてきたのだ。その行動に、俺はドキドキしてしまったのである。
そんな、俺達を見て、ラバンが、 俺に近づいてきた。
「この、裏切り者が!!お前、自分が何をしたのか、分かってんのか?」
俺は、ラバンの言葉を無視して、俺が蹴った相手が起き上がってきた事に気づいたのであった。俺は、起き上がった、奴に視線を向けると、
奴の顔色が変わり、俺に向かって突っ込んできたのだ。
奴の攻撃を軽く避けると、俺はそのまま、地面に手をついて土の壁を作ってやった。
「クソッ!!」
ラバンは、俺が作った壁を破壊しようとしていたが、 俺の水球が奴を覆っていた為に身動きが取れなくなっていたのである。
俺は、そのまま、水の中に閉じ込めている、奴に向けて雷を落とした。
俺の魔法を食らって奴は痺れて動かなくなったのだ。
奴を見ても俺の気持ちが晴れる事はなかった。
そんな俺にアンナが話しかけてきたのであった。
俺達は、ラバンが俺の作り出した水に閉じ込められている間に作戦を立てることにしたのだ。
エリーゼがアンナに質問したのである。
そんな二人を見て、俺は、 エリーゼの美しさに見惚れていたのであった。
そんな俺にエリーゼが俺の耳元に顔を寄せて囁いたのである。
俺が、彼女の吐く甘い言葉に照れながら話を聞いていた。
「私は、貴方の事信じているからね、ロイス」
「勿論、俺も、君を信じているよ」
そんな会話をしている俺達の事を見ながら、アンナが呆れた顔をしながら呟く。
「本当に貴方たち、ラブラブよね」
俺はそんな、アンナの指摘に照れながら答える。
「まあな、でも仕方ないだろ、俺達は婚約破棄されているんだからな」
そんな、俺の言葉を聞いた、アルナは、少し寂しそうに微笑みながら答えたのである。
そんな、俺たちの所に、 エリーゼ達が戻ってきたのである。
彼女達は、無事に、魔獣を倒すことが出来たようだ。
エリーゼ達は、倒した魔狼の素材を持ってきていた。
それを確認して、俺は、収納空間から大きな皮袋を取り出した。
その中に、エリーゼから受け取った魔石と牙を入れていく。
その後、残りの死骸は燃やして処分する事にした。
「しかし、よく倒せたよな」
なんて、俺が感慨深く言うと、エリーザは誇らしげな態度を取り、胸を張って、俺の疑問に対して返答してくれたのだった。
「私達には優秀な仲間がいるのだから、これくらい出来て当然よ」
そんな言葉を言って、彼女は、俺の後ろにいるアンナ達に笑いかけたのである。
「本当ね、アンナ、ありがとうございます」
そう、感謝の言葉を言われたアンナは恥ずかしそうに、頭を掻いて照れた顔をしている。
アンナにエリーゼは近づき、そっと、アンナの両手を握って微笑んだのである。
エリーゼの行動に驚いていた、アンナだったが、やがて、頬を赤く染めていった。
そして、エリーゼは、アンナの手を握る力を更に強くしていったのである。
二人の様子を見て、エリーゼの仲間達は微笑ましく見つめていた。
そんな俺の傍にいつの間にかいた。
「良かったわね、これで、あの子は救われるかもしれない」
俺はそんなエリーゼの声を聞いて、 エリーゼの方を向いた。
彼女は、とても嬉しそうな顔をしながら、微笑んでいたのである。
エリーゼは、アンナと、手を合わせ、お互いの健闘を称え合ったのであった。
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