16.
「ああ、そうだぜ!俺達が来た以上は大丈夫だ、だから安心して、お嬢ちゃんは下がってろ!」
そう言う彼らに対して私は言ったのだ。
「ありがとうございます、ですが、私も戦います」
そう伝えると二人は驚きながらこう言ってきたのである。
「分かった、だが無理だけはするなよ」
「そうですよ、もしもの時は逃げてください」
そう言われて、私達は武器を構えたのだ。
私達の目的はロイス達の救出である、それにエリーゼの事を止める為でもあるので戦うしかないのだと思った。
だからこそ私達は決意する事にした。
目の前にいる二人と協力して彼女を倒す事に決めたのである。
そんな時に目の前の二人が私に声をかけてきたので、答える事にした。
そして、二人にお願いしたのだ、どうか力を貸してほしいと、そう言うと、彼らは頷きながら言った。
「当たり前でしょう、私達はその為に来たのですから」
そういわれて、私は嬉しく思った。
何故なら、一人で戦うよりも二人で協力した方が効率がいいからだ。
でも、相手はエリーゼだ、エリーゼの力はとても強力だ。
その力で操られているとはいえ、私の親友なのだから、だけど、そんな感傷に浸っている時間はない。
私は、エリーゼの攻撃を躱し続けて、隙を見つけて、彼女に攻撃を加えた。
その瞬間、エリーゼの動きが止まった。
どうやら、上手くいった様で、彼女は正気に戻った様だ。
「あ、れ、私は、一体何をしていたの?って、え、嘘でしょ、私、何で、こんな事を?」
そういいながら、頭を抱えていた彼女を見て、安心すると同時に、これからどうしようか、と考えていた。
しかし、私が考えていた以上に事態は深刻であった。
私の背後から大きな闇の魔力弾が現れて、爆発したのだ。
私は、急いで結界を張るが、その衝撃で私は、吹き飛ばされてしまう。
「きゃああああああ」
悲鳴を上げながら、地面に転がる私の体はボロボロになっていた。
そこにはロイスが立っていた。
「酷いよ、エリーゼ、俺を一人にしないって、言ったじゃないか」
その声とは別に転がり惑うエリーゼに追撃するように暗黒の玉をいくつもエリーゼの避けるすれすれの床にぶつけて行く。
「ゆ、許して、ロイス、私は正気に戻ったわ、貴方に付き従う事が癒しでないと気づいたからよ」
エリーゼの黒いドレスが深紅のドレスに代わると人の姿に戻った。
鎌だったものは、元の七天の杖に戻りそのまま息を軽く整えると
「エレミア、もう一度、共に戦う権利を上げるわ、一緒にロイスを助けて頂戴」
と、言ってきたので、私はこう答えたのだ。
「もちろんですわ、エリーゼ様」
と、答えて私達は手を組んだ。
するとロイスが大量の魔族を召喚し始めたので……。
私達は急いで戦い始めたのだった。
私は、目の前の敵を見据えていた。
黒い翼を生やした魔族は私に向かって、闇の魔球を飛ばしてくるのだ。
それを何とか避けながら、私は、敵の正体を見破る事に成功したので、そのまま浄化の光で消し去って行く。
「下級魔族で歯が立たんな」
ロイスの一言に私は悲しくなる。
「ロイス、貴方、エリーゼの為にここまで来たんじゃないの? 何で貴方が魔王に成らないといけないのよ」
そう言って私は、彼の行動を非難するのだが、それでも彼は止まらない。
そのまま黒い翼を大きく広げて、闇のオーラを放つ彼に対して、私達は苦戦を強いられていた。
しかしここで引くわけにはいかないのだ!
だからこそ私達は戦うしかなかった!
私達は、魔族となってしまった、かつての仲間と戦う事になったのだ!
それでも私は戦わなければならない!
だから、戦う事にした。
例えこの身が滅びても愛する者を救う為に戦うのだと心に決めて、私とアルナは武器を構えて魔族となった、かつての仲間に向かって攻撃する!
そんな私達に向かって、彼は笑いながら言うのだ。
「あははっ!この体なら、どんな攻撃も怖くない!」
そう言って彼は私に襲い掛かってくるので、私達はその攻撃を避けながらも応戦する!
しかし、彼が放つ、闇の魔力球には気を付けないといけなった。
少しでも油断すれば、直撃してしまう恐れがあるからだ!
だから私達は慎重に立ち回る!
そんな私達の戦いを見て、彼は笑う。
まるで私達など取るに足らないと言う様に余裕そうに笑って見せたのである。
それが気に食わなかったのだろう、アルナは彼に反論した!
彼女はこう言ったのである。
「あんさん、一体何が可笑しいんや、正気に戻ってな、今ならまだ間に合うのよ」
そう言って私の腕を掴むのだが、私は彼女の手を振り払うと言ったのである。
「落ち着いて、アルナ、彼にロイスに何を言っても無駄だと思うわ」
そう言うとアルナは私を見るなり涙を流しながらこう言ってきたのである。
「そんな、だって、こんなの、おかしいじゃないですか、なんで私達だけが戦わなければいけないんですか!」
そう言って私に訴えかけるように言う彼女の気持ちも分かるのだけど、今はとにかくこの状況を乗り越えるのが先決だとそう思ったので、
彼女にこう言うのである。
「ごめんなさい、私だって本当はこんな事、したくないんだけど、でも今はこれしか方法がないのよ」
そう言うと、彼女は私の手を掴んでくる、それも泣きながら、私を引き留めるようにしてくるのだ。
なので、私が戸惑っていると、エリーゼが無言でアルナの元に行くと思いっきりその頬を叩いたのだ!
私は驚きを隠せない。
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