9.

「本当に良いの? エリーゼの報酬でしょ、婚約破棄解消とパーティー入り、してくれないって国王に言いましょうか?」


たしかに、このままでは、報酬が貰えていないのと同じである。

それでは、俺達の今までの苦労はなんだったのか?

そう思うと、簡単には引き下がれないのだった。

どうしたものか?

そう思っていると、俺は、一つの方法を思い付いたのだ!


「エリーゼに溺愛してみれば、靡くかな」


エレミアがそれを聞いてあきれた顔をする。

アルナに至っては溜息を付いて来るのです。


「そもそも、あんさん、私はあの上からな物言いが我慢できません」


そんな事を言ってきた。

俺は溜息を付くと、確かにそうなんだけどと言う顔をした。


「頑張って、報酬が銀貨10枚なら、しなかったな」


そう、エリーゼのクエの目玉は婚約破棄解消とパーティー加入しかも、人は無いとまで言ったのに、クリアした途端、掌を返すように仲間ならない婚約破棄解消も破棄についての謝罪もする気は無いと言い張ったのである。


そしてその代わりに仲間の証しだと渡されたものが一枚の羊皮紙だったのだ。

それも金ではなく紙切れ一枚だったのである!

これで怒らない方がおかしいだろうと思ったのだった!


そして案の定怒ったら逆ギレしてきたのでこっちもキレたのだ。

しかしそれでも一向に引かない態度に嫌になってその場を後にした俺たちだったが……。

そんな時に現れたのが俺の仲間達だった。


皆んな優しい人達ばかりだと思ったんだがなぁ?

まさかあんな酷い連中だとは思わなかったぜ?

特に聖女様と呼ばれていた女の子はもう最悪だったな?

いきなり平手打ちして来たと思ったら俺の顔面に蹴りを入れて来たんだぜ?


信じられるか?

その後、回復してくれたけどさぁ?

なんであそこまでされなきゃいけなかったのかなと思ってしまったよ。

本当、あの女は一体何様のつもりなんだと思ったよ!?

もうこうなったら、絶対にあいつをギャフンと言わせてやるって思ったんだよなー!

その為にもまずは強くなろうと決意したんだ!


だから先ずは何としてもSランク以上のモンスターを倒したいと思っていたんだけれど、やっぱり中々いないんだよなぁ……

S級クラスの奴等は皆もっと奥の方に居るみたいで会う事が出来ないんだけれどもなー、

どうしたもんかと考えていた時に現れたのは、なんとスライムだった!

えっ、嘘だろ!?

こんな所に居る筈のない魔物が何でこんなところにいるんだよー?!

と心の中で叫びながら武器を構えていたんだ、そしたら何とそいつは襲い掛かって来た!

何とかギリギリ避けてやったんだけど、これがまた厄介な相手でね。


そいつ分裂してくるんだよね、もうビックリ仰天だよね、攻撃しようものなら数が増えて襲ってきやがるんだからたまったものじゃないよ、

全くこれじゃあキリがないじゃないかよと思いながら戦ってたら急に後ろから声がしたんだよ、

誰だろうと振り返るとそこには大きな熊がいたんだって、流石にこれには俺も焦ったけどね。


だけどこいつは俺の味方だって言ってくれたんだ、最初は何を言っているのか分からなかったんだけどさ、

俺がこいつに襲われそうになっているのに助けに来てくれたみたいだったから、直ぐに信用する事にしたわけ、

それでこいつが言うには一緒に戦ってくれるって言うからさ凄く嬉しくて思わず涙が出てきたんだわ。

でも泣くのはまだ早いって事に気づいて涙を拭いた後に俺はこう宣言したんだよ!


俺は一人じゃないってな、そうしたらこいつらも一緒にやってやるって言ってくれてさーまじ泣けてくるよな〜あいつらは本当にいい奴らだよ。

お陰で俺は勇気づけられて戦う気力を取り戻したのさ、


「おいお前たち、もう少し俺に力を貸してくれないか?」


と言うと仲間の一人がこう言ったのだった!

お安い御用ですよ旦那と言ってな、それから俺と仲間たちは協力して敵を倒したりしていくうちにあっという間にレベルも上がって行ったしな、

それに今まで倒した事もない強敵と戦う事で俺たちの力もメキメキ上達していったからね、

だから遂に俺達は、最強の存在となったのであった!

だがそんな時だ、噂を聞きつけたであろう者達が現れたのだ。

そう、この国の王と王妃とその娘と息子達がやって来たのだった!


王様たちは、俺と、そのパーティーを見て驚いていたようだが、それは無理もない話だっただろう。

何せ、この国で一番強かったと言われている剣聖と言われる人物でさえ敵わない様な化け物を倒してきたのだから当然の反応と言えるだろうな?

なんせ剣を極めた者ですら勝てなかった相手に勝ってきたのだから驚かれるのも無理はない話だと思うよ?俺だって驚いているくらいだしね。


(まあ一応手加減してたんだけどね)


そんな時だった、背後から気配を感じたのは、後ろを振り向くと見知らぬ美女が立っていたのだ!

彼女の名はルーネリアと名乗った女性は自らを女神だというではないか!

これは一体どういう事なのだろうか?

俺は夢を見ているのだろうか?俺は驚きながら彼女の顔を見ていたがどう見ても美しいとしか思えなかったからであるが

俺には既に心に決めた女性がいたのだが彼女以外に心が動かされるということはなかったがそんな彼女の事など

どうでもよくなるくらいに俺は見惚れてしまっていたのだった!

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