3.

「おい、大丈夫か?」


「えっ? あぁ、ロイス、まだいたんですね、早く貴方だけでも、逃げて、私が時間を稼ぐ間に、さっきも、言ったでしょう、私は、もう、限界だと、だから、早く、行ってください!」

確かに、彼女の言う通り、既に、彼女から、剣を振るうう程の体力は残っていないように見えた。


すると、心を震わすような歌声が聞こえだす。


「ああ、こんなにも、美しい歌なのに、どうして、君は、泣いているんだい、君には、笑顔の方が似合うよ」


そう言って、エレミアは、俺を抱き締めた。

俺の頬に流れる涙を拭ってくれたエレミアに俺は大きく頷く。


「あんさん達、付き合っているんですか?」


その聞きなれない第3者の声で、俺は、我に帰る。

目の前には、背丈の低いドワーフの女性が弓をドラゴンに向けて構えていた。

その女性は、俺を見ると、にっこりと笑ってこう言う。


「恋人じゃないです、この人は、冒険家になった俺の師匠みたいな人で、戦い方を教えてくれたんです」


「そうなんですか? 私は、アルナ・カーディアナ旅の詩人です」


そう慌てて言うと、ドワーフの女性アルナは嬉しそうに笑う。

どうやら俺の反応が面白かったらしいのだが……正直言って、困るんだよね?

だってさ、この人って、俺の仲間でも何でもないんだからさ、でもとても綺麗な歌声に

つい耳を傾けてしまうんだけれどね。

それにしても、この歌、どこか懐かしい気がするんだよな?何でだろう?

それに、なんか、ずっと聞いていたい気分になってしまうんだよね?


不思議な人だな?  俺はそんな事を考えながらも目の前の光景を見つめるのだった。


「ドラゴンの動きが鈍っている? エレミア最後の一撃、行くぞ」


俺がそう言うと、エレミアも頷き、二人で同時に攻撃をする事にしたのだ。

すると、ドラゴンの動きが止まったのだ。

それを見て俺達は確信した、ドラゴンを倒したのだと、そう思ったのだ。

俺達は、その後、無事に依頼を終えて、冒険者ギルドに戻ったのだ。


すると、受付嬢が笑顔で迎えてくれるので俺が言いかけると


「あんさん、また会ったやな」


声に戸惑うと、緑色のガウンを羽織った、ドワーフのアルナが、そこにいた。


「アッ、アルナ」


俺がそう言うと、彼女は、にっこりと笑いこう言ってきたのだ。


「|私≪わたくし≫あんさん達のパーティーに入りたいのですわ、だって、私があんさんの正妻なんですからね」


彼女は、そう言うと、俺の手を取り、頬ずりしてきたのだ!

俺が困っていると、彼女は更にこう言ってくる、それは、俺とエレミアとで魔王を倒す旅に出ないかと言うものだった!

勿論、俺とエレミアには断る理由なんてないのだが、俺はエレミアに腕を掴まれてずるずると端のテーブルに連れていかれるとドサッと椅子に座らされた。


「あの、エレミア様? 一体どう言うつもりで?」


俺がそう聞くと、彼女はこう答えてくる。


「当たり前でしょ、君には、エリーゼ様を見返す、使命が有るんだから、そのためには、最強のパーティを組むしかないでしょう?」


そう俺に詰め寄ってくる、アルナに、たじろいでいると、今度は、後ろから声を掛けられた。

振り向くとそこには、俺達の仲間になりたいと言っている吟遊詩人の少女、アルナがいた。

そして俺に、いきなり抱き着いてくるので俺は驚いた!

すると、そんな俺を見てアルナは、こう言った。

「もう、相変わらず照れ屋なんだから、私の事を好きにして良いんですよ?」


俺は彼女の言葉に対して思わず顔を赤らめていると、エレミアに、頭を叩かれる。


「エロガキ」


「俺は二十歳だぁ」


「成人したばかりの男子はエロガキよ」


そんな会話をしていると、背後から俺の首に腕を回して抱き締めてくる人がいた。

その人物は、俺を助けてくれた、アルナだった!

しかも俺の耳に息を吹きかけながらこう言ってくる。


「あんさん、ロイス」


「わかったよぉぉぉぉぉ」


そう叫ぶと俺は依頼掲示板に駆け込むと吟味する振りをする。


「これなんてどうだろう、エレミアの剣技と俺の魔法があれば、後、アルナのサポートがあれば行けると思うけど」


アルナが暗い顔でエレミアを見つめている。


「何、あんさんにまだ話してないんやな、エレミアはん」


そう言われて、俺は首をかしげるとエレミアを見た。


「クラス、オーバーワークって言葉は知っていんの? あんさん」


「知らない何それ」


俺は、目の前にいるドワーフ族の女の子アルナに聞き返す。

すると彼女は、こう言うのだ。


「今まで、あんさんは、エレミアはんに助けて貰っていたはずやよね」


その言葉に俺は頷いた。

そうだ、確かにそうだったかもしれない、しかし今は違うのだ。

何故なら、俺の仲間になってくれたのだからしかしアルナは、こう言うのだ。


「エレミアはんへの甘えが、魔剣士としてのエレミアはんを限界にしてしまったんよ」


俺は俯いた。

俺の甘えが頼ったせいでエレミアが魔剣士を出来なくなった原因だなんて知らなかったんだ。

でも、それじゃぁ、どうすれば良いんだよ?

俺ってそんなに頼りないのかよ?

そう思うと涙が止まらなかった。

すると、優しく抱き締めてくれる者がいた。

それは、アルナだった。

彼女は、俺の顔をその大きな胸の中に包み込むように抱いてくれる。

そして彼女は、こう言うのだ。


「エレミアはんは回復できる?」


「えぇ、できますわ、でも、どうしてですか?」


私は、目の前のドワーフの少女アルナの言葉に聞き返した。

すると、彼女は、こう言うのだ。


「魔剣師の習得で回復ならクラスとる人は多いいからね、回復術師にクラスチェンジして欲しい、それで、あんさんには、精霊術師として、前衛をして欲しい」

そう言うと彼女は、俺の手を取った。

そして、そのまま、冒険者ギルドから出て行った。それから、俺達は、近くの鍛冶屋に来ていた。

精霊術師は剣も扱う職業である。

精霊と契約して魔法で戦うイメージで今は定着しているが、剣術も戦士並みの技量が受けれるのだ。


精霊術師の剣は細い剣をしか使えないが、精霊との使役で並みの戦士より火力が出せるのある。

その精霊の力で契約した武器の力を上げる事も出来るので、剣も使えるのである。

僕は、この力で、冒険者の頂点を目指す事に決めたのだった!


「これなんてどうですか オアシスの涙、水精霊オアシスが込められた一品です」

俺達は、店番をしている、少女の話を聞いていた。

そして、俺が、それを買おうとすると、少女は、こう言うのだった。

だが、値段を見て、愕然としてしまう、金貨100枚!?

いくらなんでも高すぎるだろう、これは、流石に、買えないと俺が考えていると、


「あ、きみきみ、精霊術師でしょ、なら、契約してくれたら、タダにしちゃう」


「え?」


「仮、契約じゃないよ、水の精霊オアシスとの本契約ね」


「ちょっと待って、俺エルドナの時も、本契約はしていなくて」


「本契約して無いの?」


「使役するのに精霊戦しないといけないのに」


そこで思い出した、俺は、エルドナと本契約した覚えはない。

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