第5話「その男、新たな天職に就く」

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[ステータス一覧]

名前:ジーク/進藤 充

性別:男

職業:遊び人(25/30)

所持スキル:遊び人の心得(4/5)


NEW:職業「罠師」(0/45)


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「罠師か・・・よし、後の数十体倒して経験値を得てレベルを上げるか」


村に到着した俺は行商人と別れて村長さんの元に会いに来た。


「なんと・・・!では我々を脅かしたのも御贔屓にして下さる商人の方への警告として!?」

「そうなります。よければこの村の領主と話をしたいんですが」

「分かりました。スマン!少し外に出る!」

「行ってらっしゃい、あなた」


村長さんの奥さんに一礼して村長さんと領主の居る屋敷へ足を運ぶ。


領主の屋敷に着き村長がドアをノックする。


「騎士殿!カイエン殿はりますか?」

「領主様ならご在宅です。ご子息にギルドを任せたようで。何かご用事が?」


村長さんの前に出て


「実は、道中で何者かが操った魔物を倒しまして。その件でメデッサ男爵に面会を」

「分かりました。ここに居るのもなんですので、中でお待ちください」


来賓用らしき部屋に通されそこから暫く村長と待つ。


数分経ってから中年の髭を生やした厳格のある男爵が来た。


「待たせて申し訳ない。カイエン・メデッサだ」

「よろしくお願いします」

「よろしく頼む。早速だが・・・本題に入ってくれるか?」


挨拶をして握手を済ませて双方ともに座った後に本題に入る。


「――――と言う事で・・・今、村長さんがその商人を村にしばらく滞在させてます」

「そうか・・・しかし、私の知り合いが実子に遅れを取るとは・・・」


男爵は大公閣下とは旧友の中でたまに商談について話をする事が多いらしい。


「カッツマン殿の息子がそこまでする馬鹿者であればカッツマン殿の命が危ないな・・・カッツマン殿とカッツマン殿の娘さんでもあるミュレッタ嬢をどうか助けてほしい。頼む」

「任せて下さい。必ず助けます」


早速目的地までの道のりを覚え、御者の元へ向かう。


「―――それじゃ、行って来ます。お世話になりました」

「道中は気を付けて下され、まだ大公殿の倅の坊主は手練れを放っている可能性があると思われ」


俺は頷き、行商人と共に目的地を変更して大公閣下の屋敷へ向かう。


「オラァッ!」

「バゥンッ?!」


道中で魔物を狩りながらレベルを上げていく。


「しかし・・・本当にすごいですな・・・」

「そうですか?」


この世界では恵まれた職業にさえなれば色々と好待遇させてもらえるのが一般常識になる。


ただ、逆に最初の職でも自分自身に見合ったモノで無ければ世界から疎まれるのが当たり前と強要もされている。


「神々に対してそう不満に思う弱者が多く増えているのが事実ですからな」

「成程・・・・」


この俺の今なっている職もゲームでも不遇扱いになっている。

その反面、扱いさえ体に刻み、脳で記憶をすればいずれ自分なりのやり方で最強とされる。


人の性格との相性も問題視されている現状ではある。


「俺の場合、扱い方は知っているんで」

「成程」

「さて、着きましたよ。アズリー大商会支部へようこそ」


支部に着いて早々に幾つかアイテムを注文した。


罠師ともなれば罠に必須な呼び餌が必要となる。

それもただの餌ではない。


「これらだけで宜しいので?」

「勿論。それとここから自分一人で行動するので、商会の皆さんは平常心を保っていつも通りに行動を。連中が何かしら動き始めたら俺が動き始めたタイミングなので」

「分かりました。おい、全員聞いたな?」


その場にいた従業員が頷く。


「それじゃ・・・行きますね」

「お気をつけて下さいね」


目的地へ赴く前に、ギルドに立ち寄る為の行く先々の道中に出くわした魔物を数十程倒し、経験値とレベルが溜まった。


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[ステータス一覧]

名前:ジーク/進藤 充

性別:男

職業:遊び人(30/30)

所持スキル:遊び人の心得(5/5)


NEW:職業「罠師」(0/45)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「さて、転職するか」


ギルドに顔を出し依頼達成報告と転職届を提出した。


「では、こちらへ―――――」


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「罠師」へ転職しますか?


YES/NO


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「(勿論・・・・YESはいだ。)」


光が体全身を覆い、転職が完了した。

後で職をチェックする為に一度、次の国へ行くに準備をしてギルドを出ていく


「今まで倒した数が数だから結構な経験値を得たな」


そのままの足で大公閣下の屋敷へ向かう。


「野営の準備も出来てる・・・よし、異空間貰って正解だったな」


異空間、神々が管理している特別な空間で俺の場合インベントリを扱わなくても同等の異空間があるので問題ない。


因みに今居る世界に足を踏み込む前に創造神であるアスター様が旅のお供として俺に差し出してくれた。


「さて、この武器を使う時が来たな」


手に持っているのは銃。

この世界に初めて転移した時から勇者パーティーのメンバーとして勇者と自分にこっそりと作って貰うように頼んだ。


「変形可能な魔導銃、確かに格好いいな。弾は魔力と実弾だけで良いみたいだし」


弾は行商人から受け取った際に大量の弾薬箱に入っていた。


「さて、まずは変装してから乗り込むか」


職業は違うが罠師であれば罠設置は得意だ。


「さて、始めようか【罠召喚サモン・トラップ】」


屋敷の拠点の箇所に罠を一定数ほど設置をし、完了した。


「さて、二人のほうには・・・【鉄壁罠バリア・トラップ】発動!」


スコープで覗いた先に居た二人の足元に周囲から守れる特殊な罠を設置した。


これでもう―――――遠慮は要らない。

銃口の先にサイレンサーを装着してスナイパーモードに切り替える。


「~~~~?」

「――――?~~~~~」


周囲の見張り二人が笑いながら何かを話していた。


「弾は・・・あった【催涙弾】。・・・・よし、準備OK」


後は一人ずつ別行動を――――丁度バラバラになった。


「一人だけ野ションか、汚いな」


汚らしい風貌の男が花摘みをし終え、戻るタイミングを見計らい――――弾が放たれた。


「(命中。・・。ってか、このサイレンサーって音を最小にするように作られていたはずだけど・・・完璧に無音だな)」

「―――?」


戻って来なかった男の様子を確認しに来たもう一人の男が来た――――弾をもう一発放つ。


「(二発目、命中)」


透視ゴーグルを装着し、周囲を確認する。


ん?外には二人だけ?

それなら――――


「建物の中の区域は・・・よし、把握した」


一人ずつ先ほどの要領で室内にいた連中に打ち込む。


『~~~?!』

『――――!』

「さて、ガラスを何度も割ってるから気付かれたが・・・連射に切り替えるとしよう」


敵に捕まって居るのはそこそこの人数だった。


「みーつけた」


ヤツの足付近にある罠に目掛けて一発放つ―――――――


ズドォォォンッと轟音を響かせながら敵に捕まって居た人達のみ助かり、敵連中は爆発に巻き込まれたのか、片手片足をその場で失って倒れこんだ。


大体解決した俺は武器を仕舞って現場に直行した。


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[ステータス一覧]

名前:ジーク/進藤 充

性別:男

職業:罠師(09/45)

所持スキル:罠召喚(2/5)

      鉄壁罠(1/5)

      罠解除(1/1)

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