第2話「その男、見知らぬ異空間で目覚める。②」

――とある異空間――


「・・・空気となんかわからん気が体中に巡っている・・・凄いな」


今現在、職無しのニートゲーマーである俺は不思議に感じる謎の空間の中でただいま瞑想中。


若い子供であれば今の俺みたいに冷静にならない。

そしてこれは俺の考えだが・・・恐らくネット小説なんかで知る"異世界"へ行く前の準備する場所だと思える。


「まっ、神様も忙しいんだろうし、瞑想しながら待っておくか。こういうの、若い時からやって良かったな」


暫く瞑想していると―――――


頭を抱えている白装束を身に纏った中性的な姿の人が来た。


「あっ、やっぱりこっちに来ていたか」

「どうも、暇を解消する為に瞑想を」

「そうかそうか、感心するよ」

「で、えーっと・・・ご用件をお伺いしても?」


社会に出る時に絶対に必要不可欠だと思える礼儀作法を独自で調べて身に着けた。

相手に対して常々に正しく在れと昔、父から教わった記憶がある。


「そうだった。実は・・・僕の部下―――大天使達がちょっとした事故を起こしてね」

「事故?ですか?」


神様だと名乗るその人は創造神に位置する人物で四人の大天使達を部下として持つらしい。

んで、その大天使達のウチの一人が転生装置を動かした際に機械が誤作動を起こし、昇天のような神々しい光を間違えて落としたらしい。


「それが偶然にも、君、進藤テツ君に直撃して家ごと消滅したと言う経緯なんだ」

神様は申し訳なさそうにそう言う。


「成程、機械の誤作動であれば偶然では?でなければ彼らが意図的に起こした訳ではないでしょう?自分はそこまで責め立てる事はしませんよ」


自分なりにそう考えて神様にそう伝える。

神様は何度も頷き


「君のような心の優しい人間にそう言って貰えると、僕としても少し安心するよ」

「出来れば、その人を慰めてあげて下さい。それが上司の立場である者が行動すべきやり方だと自分は思います」

「・・・そう、だね。分かった、そうするよ」


――――所変って今現在。


神様にお願いして大天使様達の授業を受ける事になった。


「我はエレメント、見た目は女性だがこう見えて四大属性の使い手でもある。因みに汝が気になる書物に描かれている異種族も我が人間の記憶を参考に作り上げた女神の立場でもあるぞ」

「成程、四大属性と言えば・・・火、水、風、土ですよね?」

「うむ!知っていてくれるのは有り難い!」


俺が先ほど言ったのは生活の基盤の支えにもなる基本属性。

異世界では誰もが幼少期に必ず一つの属性を身に着ける事でその魔法以外を生活基盤で賄うように整える。

異世界であれば基本中の基本。


「我はベルゼート、エレメントが基本となる四大属性を司る女神であれば我は男神の中で二つの特異とする特殊属性を司っている」

「ふむ、そうなると・・・光と闇の二つですね?」


基本的な四つの属性よりも強く、そして特性と相性がバチバチになるか重なり合う事で特殊とされている属性、それが光と闇。


人の中の常識ではエルフや聖獣や神に仕える使いに人達に関しては光を扱うものが多い。

逆に魔族や魔物、魔獣などが扱うのが基本的に闇だと言う。


「僕はアンブラル。エレメントの扱う基本属性やベルゼートの扱う属性の上位に位置するんだ」

「となると・・・炎、氷、聖、魔ですね」


上位に位置する魔法ともなれば威力も桁違いになり、戦闘職や専門職と言った魔法を基本的に扱うらしい職が多いんだとか。


最後に――――


「わっ、私は――――」

「(君の件、彼女だよ。僕は君に顔を合わせる前に出来るだけのフォローはしたけどそれでもああいう感じでね)」

成程、そう言う事か。


俺は何度も頷く。

目の前の最後の大天使の女性はおどおどしながらもはっきりと自己紹介をする。


「私はウィーナ、異常ユニーク属性を扱う大天使で女神でしっ。」


あっ、噛んだ


「ユニーク・・・あぁ、無属性や時属性や空間属性を含むいくつかの超常現象的な属性ですよね?」

「うむ、竜巻だったり、岩石だったり、時空だったり、様々な魔法の異常な超常現象の魔法を扱う属性だな」

「そう、転生者や転移者や稀人など、別の世界から来た特別な人間のみに備わる扱いが非常に困難な属性が主にそう言う属性名称なんだ」


成程、基本属性とは違って組み合わせが自由自在って言うポジションにあたる感じかな?


「と言う事は・・・」

「はっ、はい。私は機械関連を主に管理する女神でもあるので、アナタの行く異世界では機械都市なんかがあります。主に帝国ですね」

「成程・・・よし、色々と勉強をさせて下さい」

「分かった。ウィーナ、君が代わりに彼に異世界に関して教えてあげてくれるかい?」

「承りました。アスター様」


それから元の世界で言う所の一年間、この空間に居る間の数千年間、大天使達による特訓と勉強を教えて貰った。

まず、俺が行く予定になっている異世界アストロダムには7つの主要国家国と8つの名所観光国があり、更に希少ながら9人の上位貴族が各国に居る。


貴族界の常識では王族に何かしらの貢献をすればする程、その貢献に見合った褒章かもしくは爵位の叙爵を丁重に戴く事が出来るらしい。


ただ、貴族階級を叙爵して貰う為には相応の強さとお金、そして何よりも王族から指定されている依頼の合格点。

それらさえやっておけば特例としての叙爵が認められるらしい。


「ですが・・・国によっては叙爵に見合った依頼を熟しても理不尽なやり方で取られるか一つ上がるだけの叙爵行為をする王族も居るのです」

「成程、であればそう言った国に行くのは後回しでもよさそうだな・・・」

「そして・・・それは上位貴族あるいは王家との関りや血筋関係にある貴族も同じ権限を持っているのでそう言った行為は少なからずあります」


そして、ダンジョンも異世界アストロダムにはあるらしい。


「ダンジョンに関しては私以外に大天使アンブラルも管理をしていまして、ただ私やアンブラル本人でさえも数は把握しきれていないんです」

「成程、多すぎると流石に大天使様でも数えるのに時間が掛かりますね、それは」


ダンジョンには難易度が階級ごとに分かれているらしい。

だがしかし、階級が一番低いダンジョンでも異常事態は起こると言う。

アンブラルが例題を出す。


「例えばそうだな・・・僕が調べた限りだとそのダンジョンには存在しないはずの別の異常な強さを持つ魔物なんかが分かり易いな、ホラ、そう言うのってどす黒いオーラを放ってる感じに」

「成程、違う視点から見ればオーラは魔力にも捉えるから魔力の蓄が異常な魔物が居たら危険なんですね」


そうなると、そのダンジョンは封鎖をせざるを得ない。


それにそのダンジョンは未だにその異世界で攻略出来ている人物は居ないらしい。


「それじゃ、君にはどんな職が見合うかウィーナのお手製魔道具で調べてみようか」

「おっ、やるんですか?お願いします!」


調べて貰った結果――――創造神であるアスター様が来て笑う


「どうやら、君は面白い職業を覚えそうだ。魔王を討伐した後は転職してみたらどうだい?」


俺は少し考え


「分かった。やってみるよ」


アスター様は「そうだ」と言い


「それにその面白い職は多岐に亘る色んな職の中で異例の特注品でね、転職する際に僕が特別に渡すよ」


こうして異世界アストロダムに行く準備が出来たのである。

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