その男、転生先の異世界で最強でした。

ユウタ

序章

第1話「その男、見知らぬ異空間で目覚める。①」

日本のとある某所にて―――


「はぁ~・・・やっぱり最後の面接も駄目だったわ」


今現在、職無しのニートでプロのゲーマーをやっている。

一般的世間ではプロゲーマーも職業であるとかなんとか騒がれている。


そんな中で俺はとあるオンラインRPGアールピージーゲームをやっている。

奥が深いんだよなぁ~このゲーム


『でさ・・・今もなお、バイトはやってんのよ。生活費は取り敢えず稼がなきゃって』

『マジか・・・大変だな~、同い年の俺ですら二社目駄目だったから次の三社目の面接が不安だなぁ~』


オートモードでゲームを進めながら同じゲーマーとそう話をしていた。


画面の向こうのそいつは俺と同じように二度も面接を受けてもなお絶賛俺みたいに不採用として通知を貰った経験を持つ・・・らしい。


『最近、ネットで息をするように話題になってる"な〇う"とか"カ〇クム"とかさ、人気じゃん?』

『あー、だね~』

『俺、万が一何があってもそう言う異世界に転生したいんだよね~この世界はなんかもう理不尽に扱われてる気がしてきたわ』

『あ~、なんか地味に分かる気がする。俺も異世界に転生したいな~』


そんなネットの中では他愛もない会話をしまくっている。

すると、画面の向こうのそいつはチャットでこう言ってきた。


『お、おい!スマホのネット記事見てみろよ!お前が面接したって言う会社の記事が載ってるぞ?!』

「え?マジで???」

『え?マジで???』


スマホのロック画面を解除しながら聞いたとおりにその記事を見る。

見た瞬間に驚いた。


「おいおいおい・・・マジかよ」

そう、その記事には俺が面接を受けた日から不採用を受け取った数日間の間に不祥事を起こしたらしい旨の記事が書かれていた。


「何をどうしたらアホな事すんだよ」


さらに、ネット記事では【OOO社に面接をしたとされる人達にも事情聴取する予定】と一文に記されていた。


『どうやら俺も一度、警察署に行って話をしておく必要がありそうっぽい。聴取はきちんとして貰えるんだよな?』

『・・・行った方が良いかもな。事件に巻き込まれたとかじゃなくても面接を受けに行った側だから一応話をしに行った方が良い。因みに面接中にあっち側から何かあったりとかは?』

「面接中・・・そいやぁ~変な質問ばっかしてたな、部長っぽい人から」


おれは思いついた限りの事を書いてみた。


『マジか、一旦警察署に行ってその話をした方が良い気がする。先に署に電話したらどうだ?一応対応してくれるかもよ?』

『わかった。やってみる』


そうやってキーボードに打った後、警察署に電話をする。


『はい、こちらOOO警察署です。事件ですか?事故ですか?』

「あっ、いえ、ネットの記事に出てたOOO商事って言う会社で面接を受けた事があるんですが・・・」


話を進めると、その電話の向こうの警察官と幾つかやり取りをし


『分かりました。もう少し詳しくお聞きしたいので時間の空いている日にお越しして貰っても宜しいでしょうか?』

「分かりました。事前にバイト先にも連絡の一報を送るんでそれしてから向かいます」


取り敢えず、こうして電話を終えてゲームも終えて就寝する。


翌朝――――


『警察署にその話を?』

「はい、何で最後の日は午後出勤になると思うんで誰か代わりにお願いします」

『分かった、とりあえず俺が暫く午前中はカバーするから行って来な』


バイト先の店長から許可を貰い、さっさと警察署へ向かう。


「署長、例の件で面接を受けたとされる方を御連れしました」

「おっ、来たか。ささっ、座って」

「失礼します」


多少、緊張しながらも案内してくれた人から温かいお茶を貰い、少し飲んでからその時にあった事を話す。


「・・・ふむ、確かに変な質問だね・・・幾つ位それと同様の質問を?」

「たしか・・・五つぐらいです。訳の分からない質問ばかりだったんで少し不審に思ってました」

「・・・分かった、有難う。君のような正直に証言をしてくれる人はいつでも大歓迎だよ。また何かあれば下の彼らのうち誰かが一人君にまた電話をするかもしれないからその時はまたよろしくしても良いかな?」


問題無いとしっかりと断りをいれて警察署をでてそのままのその足でバイト先へ向かう。

数日後―――俺の証言を含む幾つかの証言により元社員や現役社員との証言も一緒に合わせて俺が面接を受けに行った会社は社長を含む幹部職に近い人たちが逮捕されたとニュースに流れていた。

そしてその当日、俺がやっているゲーム、実はサービス終了するとの事をネットで聞き、相棒である彼とそのゲームの最終階層まで進んで行った。


『・・・なんか、寂しいな』

『だな、またどっか・・・目新しいゲームで出会えると良いな』

『だな、また出会えたらいいな』


最終階層をクリアし、なぜかその記録がそのゲーム内で表示されていた。

まぁ、実際にレベルと装備とたったの二人だけで、しかも後衛支援職と前衛戦闘職ってだけでなると信用する人は居ないだろうけど

「また出会えたらいいな」


そして、最終的にサービス終了し、そのゲームはネット界から消えた。

色んな攻略サイトでもいろいろ言われているが、そのサイトも結局誰にも使われず終わりを告げてネットから消えた。


「――――なんか、寂しいな」


明日はバイトないし・・・どうすっかな

新しいバイトさっさと探さないと

そう考えて―――眠りに就く。


――――筈だった。


「眩しっ?!」


大らかな光によって目を覚ます・・・が、見知らぬ空間に居た。



「どこだ?ここ」

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