利用される冒険者たち
仲仁へび(旧:離久)
第1話
とある冒険者1
ホワイトスライム狩りに行こうぜ。
冒険者の俺は、ある日そんな誘いを友人から受けた。
なんでも最近、この近くの平原でホワイトスライムが大量発生しているらしい。
ホワイトスライムは倒すと経験値が多くもらえるから、うまい敵だ。
はやくいかないと、ほかの人に狩りつくされてしまうかもしれないな。
俺は早速、装備を整えることにした。
けれど、急いで支度して出発した俺は、友人とともにがっかりしていた。
向かった先では驚きの光景。
なぜか、ホワイトじゃなくてブラックスライムが大量発生していたからだ。
「なんか、間違った噂が広まったらしいぜ」
現地にいた、ほかのがっかりしていた冒険者が、そう教えてくれる。
くそ、わざわざここまできたのに、無駄あしかよ!
色が濃いスライムは、経験値が低いんだよな。
パステルとかホワイトじゃないと、雑魚モンスターであるスライムなんてわざわざ、準備してまで狩らない。
いったい誰がこんな迷惑な噂を流したんだよ。
とある冒険者2
くっくっく。
間違った噂を流しておいてよかったぜ。
ホワイトスライムが大量発生していたから、全部ひとりじめしたかったんだ。
だからわざと噂を流してほかの冒険者を遠くに追いやったってわけだ。
冒険者ってのは、まったく間抜けな奴らだな。
はーっはっはっは!
笑いが止まらないぜ!
とある冒険者3
ひっひっひ。
まんまと罠にはまったな上級冒険者め。
モンスターを狩ってちまちま活動するより、初めから人間を襲ったほうが手っ取り早いじゃねーか。
だって、素材を売ったり交渉したり、装備を手入れするのは面倒くさい。
それなら、すでにお金を持っている連中や、装備の整っている連中を狙ったほうがいい。
今なら隙だらけだから、うまくチャンスをいかさないとな。
利用される冒険者たち 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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