12月14日 汚れた窓と忘年会
最近職場で窓を拭いている。窓が汚れていると偉いさんに怒られた上司が、なぜ窓を掃除しないんだとスタッフを怒ったからである。お前が拭けや。みんなそういう顔をしていた。私は怒りの連鎖ってどこで止まるのかなと思っていた。
そんなわけで、みんなで手分けしてひとつずつ拭いている。落ちると危ないので二人一組だが、二人一組でも落ちるときは落ちると思われる。
初日にコンビを組んだ後輩は窓拭き業者呼ばないんですかねえと言っていた。
その次にコンビを組んだ先輩は雨などの水垢が余裕で取れないと溜め息をついていた。
その次はなかった。用事で休んでいた間に、みんなが終わらせてくれていた。
窓拭き中、下を覗くと植え込みがあって、落ちてもまあ死なないんじゃないかなと思った。通行人に当たったらそれはごめんとも思った。
謎の窓拭き業務に同僚たちが怒りを堪えている期間に、忘年会をするという通知が来た。
正直、めちゃくちゃ急だった。えっやるの? とみんな困惑していた。私も普通に困った。日時設定について聞いてみると、上司が休みで時間がある日だからと言われた。
私の部署の人間はほぼ全員不参加に入れた。
主婦が多く、また、年末に差し掛かる日時であるため、時間の都合が余裕でつかないのである。
実は私は普通に暇な日だ。でも不参加にした。なんというか、窓拭きをしながら考えていたのだが、すごく不毛な感じがした。遅効性の怒りがあった。怒りの連鎖がまだあった。
私は苛つきやすいのだけど、苛つきやすさを自覚しているため、ざわっとした時には対象から距離を離して落ち着くまで関わらないようにしている。忘年会に行くと普通にキレてしまう可能性がある。大変、よくない。なので暇だが不参加にした。
参加人数が少なすぎて、時間帯の調整をすることになった。それでも参加人数が少なくて、日にちを変えるかもしれないと言われた。上司は不機嫌そうだった。拭き終わったはずの窓を見ると汚れていた。これは多分綺麗にならないし、忘年会はそのへんに転がったまま、残り火みたいな怒りの捌け口になると思った。
窓全部割るか〜〜〜!!!!
また会いましょう。
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