5月9日 トゥモロー・ネヴァー・ノウズ
同時期デビューの宮野優さんの「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」(https://kakuyomu.jp/publication/entry/2023042805)を読んだ。以下普通にネタバレ込みの感想を書く。シンプルにめっちゃ面白かったので読んでみてください。暴力表現が大丈夫で群像劇な連作短編が好きな方には超おすすめです。
というわけでネタバレ込みの感想を書きます。
全五話からなる連作短篇なので各話の主人公が違うのですが、そもそもの設定が「全世界が今日をループし続ける」なので道理……という面構えで読み始めました。ちなみに設定は全然違うのですが読み始める前に思っていたのは「終末のフールみたいな感じかな〜?」でした。あれはもうすぐ地球滅亡する世界線での群像劇の連作短篇ですね…。
トゥモロー・ネヴァー・ノウズ、まず一話目のパンチがすごい!
一話目は復讐のために相手を殺しに行く女性で、つまりループしちゃうから、永久に殺しに行くんですよね。最高過ぎませんか?いつかループ終わるかもしれないしその時に相手が生きてると最悪だから延々殺しに行くんですよね。素晴らしい執念です。私はこの一話目が一番好きです。タガが外れた復讐の鬼、ぼくだいすき!
連作短編なのでサクサク進みます。二話目はかわいい女子高生が視点ホルダーで、ループし始めてから何周とか、ループに気付くのは人によってかなり差が出るとか、細かい世界観の説明などが挟まってきてなるほど!と思いました。バカの感想ですみません。この世界観の説明により治安がバチクソに悪くなっていることもわかって、とても重要な話だなと思いました。
これに出てくるマイセン、本当にいいキャラですね〜!マイセンが多分キャラクターとしては一番好きです。私は推しの死に様が大好きなので、諸々あって死んじゃうところはすごく興奮しました。
それでこれ、ループしているので翌日(翌日ではないんですが)普通に生き返るんですよね。
この寝て起きたら生き返ってるというのが一番効いている話が二話目のような気がしました。永劫の別れのごとくさよならした主人公とマイセンの翌日の再会、ぐっときます。
三話目なんですけど、ここであっすごーい!!ってつい声が出ました。何故かというと舞台が日本から海外に飛んだからで、なんか勝手にずっと日本舞台なのかと思い込んでいたために「世界中のループ見せてくれるんだ!」とワクワク度が爆上がりしました。
治安悪すぎて生み出されたコロシアム的な催し、ちょっと見てみたいですよね…。この話は本当に爽やかで、主人公がものすごく真っ当な方だったからかなと思います。そりゃマイセンもすきになりますね(意訳)
四話目なんですけど〜〜〜!!主人公多分あれだなと思い込んだまま読んでいたので四肢が吹き飛ばされて興奮しちゃった!!!ごめんなさいリョナラーです!!!ここ一番のリョナラー起立ポイントだと思います。いやあ……よかった。そして一番の治安悪すぎエピソードだとも思います。毎日歩いて図書館に向かう胆力やばすぎないですか?一話目の次にこのエピソードが好きだな〜と思いました。いえリョナラー起立ポイントだけでなく全体的な構成がものすごく好みで、主人公も相棒もとてもいいキャラクターだなと思いました。サッカーしてる村人もなんか可愛くなってくる…。
五話目は五話目にふさわしい五話目!という風情で、なんか勿体ないので実際に読んで楽しんでほしいなと思います。おれはちゃんと瓶を受け取ったぜ……という気分にみんななってくれ!
それでこの〜、一話ずつ若干繋がっているというか、各話に出てきたキャラクターについてちょっと触れられたりするところがすごく好きだなと思いました。同じ世界で起きてることだよというのがわかりやすいというか、独立した話ではなく本当に全世界が延々ループしてるという設定を最後まで忘れずに読めるというか、世界観に浸かったまま最後まで読み抜けたのですごく楽しかったです!
そんなわけなので「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」読んでみてください。
今日はメルカリと駿河屋に不能共が出品されていてちょっとショックを受けました。売れる?大丈夫…?
また会いましょう。
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