第28話
思えば容姿で差別したり、自分の基準で醜いと思う相手には自由に<気持ち悪い>という暴言を吐く人はたくさんいるのに、そういう差別やいやがらせは取り締まらないのも不公平だ。禁止されている差別は、人種差別とジェンダー差別くらいだ。後の差別は野放しに近いのに反差別活動家の人たちはその事実を無視する。彼らがやっているのは人権を守る戦いではなく、単なる外国政府のための政治活動なのだ…と思った。
10月に入り翻訳学校も最後の授業が近づいてきた。授業中に、座っていることができなくて、途中で立って教室から少し離れた場所でせき込んでいると教室の歓談が聞こえてくる。私はあの中に入れなかった。なぜなんだろう?疎外感とも孤独感とも挫折感とも言い切れない、圧倒的な感情に打ちのめされた。
せきがやんだので、教室に戻った。
毎回のように課題があって、課題をやって出すと翌週に講師が採点して、評価をつけて返却する。
私は全課題出したが、大半はGoogle翻訳はじめ機械翻訳を使用して下訳にした。
授業中に講師がその問題を取り上げて、「昨年も同じ問題を出したんですけど、訳出できた人がいなかったんです。今年は皆さん揃って訳出できていて、私は感心しました」と褒めた。
なんだ、全員、下訳にGoogle翻訳を使っているんだなと知った。
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