第21話

その日に更新されたダイアリーに、カンさんは市内の翻訳サークルで知り合った人たちとの昼食をアップしていた。4人の女性がお洒落なダイニングを囲んで、会食している画像が貼ってあった。見ていると、私が住んでいる世界と、カンさんが住んでいる世界はなんて違うんだろうとため息をつきそうになった。イライラしていたので、私はダイアリーのコメント欄に「書いてあるのは自慢ばかりなんですね。キラキラ自慢」と書いて、匿名でコメントを送信した。面白くなかったのでその日はさっさと寝た。

翌日、カンさんはSNSを更新していなかった。私が送信したコメントはそのまま反映されていた。私以外にもSNSでの彼女の取り巻きがマンセーコメントを送信していた。それも一緒に載っていた。しかし、カンさんは普通はダイアリーにコメントがきたら返信を書くのに、だれにコメントにも返信が書かれていなかった。反映してあるだけ。

その日から、カンさんはしばらくSNSの更新をやめた。彼女は毎日熱心に更新するタイプではなかったので気にしなかった。そのうち私はいらいらしてきた。彼女の過去ログを読んでいて、その輝度に目がくらんだのだ。なんでこういう人が同じ翻訳学校にいるのか。

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