第20話
事務局の女性がメールの返信をくれた。次の授業から、弊社の職員が1人、授業に参加するようにします。きっとあなたの思い過ごしだろうとは思いますが、他の方々の迷惑になっている生徒がいないとも限りませんので…と歯切れの悪い文面だった。講師の暴言やいやがらせも訴えたし、「録音あるぞ」と書いておいたのだったが、講師の件は一言も触れてなかったのでがっかりした。
事務局から返信がくるより少し前の授業で、私は机の上に2台のICレコーダーを並べていた。講師が立ってプリントを配っていたとき、彼は初めてそのICレコーダーに気がついた。講師はそれまで録音されていたのに気づかなかったのだ。その後、彼は少なくとも授業中に、他の生徒に聞こえるように「キモイ」とは言ってこなくなった。しかし他の生徒は相変わらずだった。
授業の途中でトイレに立ったら、トイレの前の通路でその会社の社員なのだろうか、サラリーマン風の男性に「気持ち悪い」と吐き捨てられた。こういう会社なのだろうか。
そんな中でも、毎回カンさんは顔を合わせても、感じの悪いことを言ってこない、珍しいタイプだった。帰宅してから、カンさんのSNSを読んだ。友だちの多い人だなぁ。
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