第19話
学校の授業が毎週だったら登校拒否になっていたかもしれない。私は小学校、中学校、高校…とひどいいじめに遭ったことを思い出した。あの時もこんなのだった。教師の大半は、いじめに加担することはなかったが、かといって被害者を守るというスタンスでもなかった。今回の翻訳学校の場合は、その場で一番上にいるはずの講師が平気で女性に向かって「気持ちが悪い」と言ってくるような、壊れたタイプだったので厄介だった。もともと翻訳者志望者にはそういう歪んだ人が多いのかもしれなかった。歪んだというよりは、幼く、攻撃性がそのまま残っているような女ばかりだった。
授業中、私が冷房が寒いので、ブルーのパーカを着込んだら、机の対角線上に座っていた女性が同じような色のカーディガンを着ているのに気が付いた。相手も気がついたらしく、嫌そうな顔をして慌てて脱いで、バックの中にしまった。私は苦笑した。この女性は積極的にいじめに加担するタイプに見えなかったが、私と同じことをしていると思われるのが嫌だったのに違いない。
学校の事務局はメールをくれたが、対応に苦慮しているような印象の文面だった。生徒に直接注意をすることは、現時点ではできないとあった。
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