第18話
授業は隔週で土曜日午後だった。次第に通うのが憂鬱になっていった。講師や同じクラスの女たちからのいやらがらせも目にあまるようになっていった。しかしそれなりの授業料を支払ったので頑張って通うことにした。
ある日の授業で、授業中、ボードの前に立って説明をしている講師と、授業中にたまたま目があったら、講師がすぐに「気持ちが悪い」とつぶやき、狭い教室だから、くすくすと忍び笑いが漏れた。ICレコーダは録音の灯がつき作動中だった。
その授業が終了した後、いたたまれなくなって教室から飛び出したら、背後で「キモイ!」というわりと大きな女性の声がした。だれが言ったのだろうかと、学校が入っているビルの入り口の前に立って待っていたら、私よりずっと若い女の2人連れが出てきた。証拠もないしなと思いながら、私もバス停に向かって歩きだすと、さらに後ろから「きしょい」「気持ち悪い顔」と聞えよがしに言って、どっと笑う声が響いた。河川沿いの道を歩いていて、突っ伏して泣きたくなった。
帰宅してから、翻訳学校の事務に宛てて、いじめを相談するメールを出した。握りつぶされるかもしれないが、とりあえず出しておくことにした。録音もあるし、後々役に立つかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます