第16話

クラス全員がいやがらせの加害者というわけではなく、クラスに唯一1人参加していた男性は何も言ってこなかったが、かといって庇うわけでもなかった。

カンさんは、以前から同じ講師の授業に通っていたので、教室内で存在感があったが、彼女も私に対して何も言ってこなかった。

教室のいじめはいつも、一番綺麗な女は、決して他人をあしざまに言ったりせず、下から数えたほうが早いような容姿が、さらに低い(と彼女たちが信じる)容姿をあざけっているだけ。


私はPCにログインすると、たまに彼女が更新したSNSを読んだ。幼い頃に父母が離婚して、父親がろくでもない人間であったために、カンさんは大学進学できなかった。しかし彼女は間違いなく優秀な生徒だった。就職してから、英語の響きに惹かれて、短期間で最上級レベルに到達し、翻訳学校の講師には絶賛され、気にいられてその学校が運営する翻訳会社の登録翻訳者となりエース級となった。

SNSを読んでいて、稼げる翻訳者は稼げるんだなぁと知った。最新のiPhoneで撮るとああいうシャープで鮮やかな画像になるのか。彼女は、SNSのプロフ欄に韓国語で何かを書いていたが、それは私には読めなかった。

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