第14話
翻訳学校への入学を検討していた頃、自宅からやや不便な場所にあるのが気になった。繁華街でバスを乗り換えて降りてから割と歩かなくてはいけない。授業が隔週で土曜日午後からだったので、週末の繁華街を歩いていると、引きこもり中年には他人の目が気になり、いやがらせしてくる人間もいて、通学そのものが苦痛になっていった。
しかし翻訳学校は、毎回のように添削課題が出て、その添削料も授業料込みなので、結構授業料が高かった。10人前後の生徒は、半分以上はプロとして翻訳実務を経験している人たちだったので、そういう人達のスキルアップになるようなコースというとそれほど授業料が安いわけがなかった。授業料は一括払い込みだし、途中でやめるという選択肢はなかったので、毎回通うことになったが、苦痛度は増していった。
翻訳者とか翻訳志望者という人種も、カンさんのような例外はいたが、ほとんどは裕福な家で甘やかされて育った女性が多く、私に向かって面と向かって、キモイとか侮辱するような言葉を言ってくる人も数人いた。いじめ体質。そもそも翻訳学校の講師からして、生徒の好き嫌いがヒステリックにはっきりしていて、アトピーのあとが顔に残る私は1目見て嫌われた。
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