第3話 タスマニアデビル編 「あくまのささやき」

…夢を見たんだ。

オレ達はLVシステムを使って新与那国島のフレンズにジャパリパークの事を教えた。

皆をジャパリパークに連れて行くと。

すると…皆様子がおかしくなって…。

理性を失った…ビーストになってしまった…。

「オイ…嘘だろ…」

オレ達のせいで、みんなが迷惑してしまう夢を見てしまった。

この事を、パークのみんなに伝えなきゃ…!

「でも…どうやって伝えたら…」

ラッキービーストで、カコとカレンダに話してみよう。

「ゲネシスアークのフレンズ達が、理性を…?」

そうだ…確かに夢で見たんだ…。

あんなに優しかったフレンズがいきなり暴走して…。

「オレは、夢でリッジバックってフレンズと話をしてたんだ」

オレは、ヒナミを助けにやってきたとリッジバックに伝えた。でも…。

「その姿が、まるで悪魔のようだったと…」

カコとカレンダはこの音声を記録していた。

大切なヒナミを守る為にと、ヒナミの手を引いて…あいつは島の外に出ようとしていた。

「翼の生えた狼みたいだった…火も噴いてたし…」

カレンダは、ハッと気づいた。

「ゲーティアの悪魔…マルコシアス…」

ゲーティアの悪魔…?

「元々は主天使だったと言われているマルコシアスは、ヒトの姿になって王に仕えていたと言われているの…まさかそんな事が起きるなんて…」

ヒトの姿に…まるでフレンズだ。

「だとしたら…あの島のフレンズ達は…外に出てしまうと…」

みんな、あんな風になっちまうのか…?

ダメだドール…!そんな危ないところに行ったら…。

「ドール…!オレが…!オレが止めなきゃ…!」

でもそしたら…!ヒナミを助けるために作ったこれは…。

「そうだ、四神達にこの事を話さないと」

LVシステムさえ使わせなければドールはゲネシスアークには行けない、だったら…。

「ナニをハナすって?」

カンザシフウチョウだ。

「…それが…大変なんだ。あの島のフレンズは、みんな悪魔に…」

すると、カンザシフウチョウはコクリと頷いたのだ。

「ああ、シシンはスデにシっていた。あのシマのフレンズは…みんなビーストになってしまう」

知ってて…LVシステムを作らせたのか…。

「何だよ…。なんでいつもこうなんだよ!オレのせいでいつも…。みんないなくなっちまう…」

「カンザシフウチョウ、勝手なこと言わないで」

不意に現れたのはセイリュウだ。聞こえてたのか…

「確かに、私達はこうなることを予測していた…でも、私達はカレンダのヒナミの為に行動する気持ちを邪魔する権利はない」

じゃあ、どうすれば…。

「だから選ばれたフレンズにしか使わせない…。あれを身に着けて、戦う覚悟のあるものだけをあの島に送り込む、それが平和的選択…私達が選ばなきゃ行けない選択なの」

俺たちには、その資格は無いのかよ…。

「でも安心して。私に良い作戦があるの」

…セイリュウはオレをホワイトタイガーのところに連れてきてくれた。

「セルリアン組手…?」

セイリュウは、腕を組んでこう言った。

「特訓よ」

特訓…「はあ!?」

ホワイトタイガーと一緒に、オレはセルリアン組手をさせられた。

「ちょっと…待って…!もうダメだ!」

オレはもう既にヘトヘトだ。

「タスマニアデビル、強くなったな!我の最高のパートナーだ!」

ホワイトタイガーは高笑いしていた。

「どう、これで気付いたでしょ。私達にはあの強大なセルリアンに立ち向かえる力がある、あの島のフレンズにはできない、私達ができることなの」

オレ達の…できること。

「だから、私達は慎重にならなくてはいけない。あの島のフレンズ達と友好関係を結ぶために…」

その為に…オレをここに呼んできてくれたのか。

「ありがとうセイリュウ、ホワイトタイガー、オレ…カレンダ達の所に戻る」

そうだ…オレ達には、ドールを送り出す責任がある!


こうして、オレたちはライブの準備を始めた。

ジャパリ団が作った努力の結晶で、ドール達を励ますために。

「待っててくれ、ドールが…今助けに行くからな」

オレは、絶対にヒナミ達を取り戻す!


オーストラリアデビル編に続く


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