第11話 待ち切れなくて
俺は目の前に立つ扇情的な姿をした藤宮さんから目が離せないでいた。
胸の辺りを見ると二つの突起がキャミソール越しにも主張しており、下の方に目をやると、太ももの上部あたりが透明の液体で光っているのが見えた。
それを見た俺のアソコは一気に臨戦態勢となる。
「冬夜さん、誰かに見られると困るので早く入って来て下さい……」
「ああ、悪い……」
藤宮さんに手を引かれ、ベッドの方へ連れて行かれる。
俺は今すぐにでも藤宮さんを押し倒して欲望をぶつけたい気持ちだった。
そこで何とか理性が働き、欲望を押し留める。
――これは上書きなんだ。藤宮さんがあの記憶を思い出すようなことはしてはいけない。
すると、藤宮さんが赤い顔をして話し出す。
「冬夜さんとエッチをした日から私おかしくなってしまったのかも知れません。実は昨日も冬夜さんを思いながらシてしまいましたし、今も待ち切れなくて一人でシていました……」
「いいんじゃないか、俺だって一人でするし。それに男からしたらエッチな女の子の方が魅力的だけどな」
「そうなんですか? はしたないとか思われてしまうのかと思っていました。冬夜さんにそう言って頂けるのであれば我慢する必要は無いですね」
――確かに我慢はしなくていいとは思うが、毎晩喘ぎ声が聞こえてきたら、こっちがムラムラしてどうにかなってしまいそうだな。
「じゃあ、早く柊のとこに行かないといけないし、シようか。まあ俺が早くシたいのもあるんだけど」
「嬉しいです♡ じゃあ今日はキスからして貰えませんか?」
「ああ、分かった」
俺は隣に座る藤宮さんを抱き寄せる。
もう興奮しているのか、藤宮さんの柔らかい肌は温かくなっていた。
そして、口づけを始め、どちらともなく舌を入れる。
唾液が絡み合い、いやらしい音が静かな部屋に響き渡った。
◇
「はぁ……はぁ……冬夜さん、今までと全然違いました。こんな気持ちよさを味わったら、私抜け出せそうにありません……」
「ああ、俺もめちゃめちゃ気持ちよかった。それに藤宮さんの気持ちよさそうにしてる顔が可愛くて興奮したな」
「あ、冬夜さん初めて私の事可愛いって言ってくれました♡ 普段の私は冬夜さんから見て可愛いですか?」
「確かに初めて言ったかもな。藤宮さんは可愛いだろ? 言われ慣れてると思うけど……」
藤宮さんは柊と並んで学校でもトップクラスに可愛いのは間違い無い。
それに俺には出会った日よりも可愛く見えている。
それだけ藤宮さんのことが好きになってきているということだろう。
「えへへ、ありがとうございます。他の人に言われるよりも冬夜さんに言われると本当に嬉しいです。今16時ですね。双葉ちゃんには申し訳無いんですけど、あと1時間位は可愛がって貰えませんか?」
「ああ、向こうに行ったらなかなかできないかも知れないからな」
それから俺達は俺に余力があったので、二回戦をして裸のままベッドの上で抱き合って過ごした。
◇
「藤宮さん、もう忘れ物はないか?」
「はい、確認しましたが、大丈夫そうです。それに近いのですぐに取りに来れますから」
「そうだな。じゃあ行こうか」
藤宮さんの荷物の大半は宅急便で送っていたようだが、俺の荷物が多かったので、柊の家までタクシーで行くことにする。
間もなくして柊の家に到着した。
「いらっしゃい、樺恋、太一」
「双葉ちゃん、お世話になります」
「太一、荷物取りにいっただけの割りには結構時間掛かったのね? もしかして上書きしてた?」
柊もなんて勘がいいんだろう。
やはり女の子は勘がいい生き物なようだ。
「……荷造りに思ったより手間取ってな。悪いな、遅くなって」
「ふーん? 隠すんだ。まあいいけど」
バレているようだが、自分の口から「エッチしてたので遅くなりました」とはどうしても言いたくなかったのだ。
「双葉ちゃん、晩御飯どうしましょうか? もしかして何か作られてました?」
「うんん、私料理は壊滅的にできないの。だからいつもでき合いのものよ」
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能で通っている柊に意外な弱点があると知り、少し驚く。
「じゃあ私、下のスーパーで買い物してきますので、何か作りますよ」
「じゃあ、俺もついてくわ」
「また私だけ一人にしないで。私もついてく」
それから三人で買い物をして、藤宮さんの作ってくれたハンバーグなどを頂く。
その食事の席で柊が突如切り出した。
「えっと、今日はどっちが太一と寝る?」
――え、柊何を言い出すんだ?
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