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《ねぇ、あなた。私とお話しない?》
《え⁉ 嘘、あなた、なんで私と話せるのよ⁉ 興味深いにも程があるわ⁉》
花の中に十センチくらいの、真っ白なカマキリに似た魔物がいる。彼女が話しているのだと分かる。驚かせたのが良くなかったようで、光が赤に近づいた。
見たいって願うと、表示が出るはずなんだけど。あ、出た。
【名称】マンティスベビー
【真名】???
【種族】魔蟲
【性別】メス
【魔物ランク】E
【スキルA】毒鎌
【スキルB】解毒薬精製
【スキルC】???
【スキルD】???
ランクは最低。戦っていけば上がるのよね。残り二つのスキルはランクが上がって、進化したら覚えるんだったわね。あ、いけない、まずは交渉しなきゃ。
《ビックリさせてごめんね。私はハーフエルフのノインって言うの。この惑星エルモアから、あなたたち魔物とお話する力をもらったのよ》
《ワクセイ? エルモア? マモノ? なにそれ? 分からない言葉ばっかり》
私は大まかに説明した。マンティスベビーは興味深そうに聞いていた。
段々、光が青みがかっていく。
《へー、なるほどねー。興味深いわー。じゃあ、ノインはこの星の使いってことね》
《そう言われればそうかも。でも、好きに生きて良いって言われてるんだけどね》
《でもでも、悪い奴を見つけたら、やっつけるんでしょう?》
《そうなんだけど、私、魔法が使えなくてね。戦う力をつけなきゃいけないの》
《魔法が使えない? 興味深いわ。ノインは凄く興味深い。ねぇ、物は相談なんだけど、私も一緒に連れて行ってくれない? ノインと一緒だと、色んなことを知れそう》
交渉成功? かしら?
マンティスベビーが、手招くように鎌を動かす。光が真っ青に変わる。
うん、成功してるみたいね。
ここで真名を教えてもらえれば、仲間になってくれるってことなんだけど。
私はマンティスベビーに歩み寄る。
「ノイン様!」
「ちじゅかにちて!」
ロディに手の平を向けて、止める。光が黄色に変わった。
だけど、私が目の前まで行くと、また真っ青になった。
《ありがとう。あの怖い亜人を止めてくれたのね。あなたって凄いわ》
《ごめんね、驚かせちゃって》
《いいのよ。私はシクレア。ノイン、あなたに力を貸すわ》
シクレアが私の肩に飛び乗る。そして、そのまま体の中に浸透した。
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