遊覽二首 其二
節運時気舒,秋風涼且清。 運るを節くし時に気舒にして,秋風涼しく且つ清し。
閑居心不娯,駕言從友生。 閑居に心娯しまず、駕言は友從り生ず。
翺翔戲長流,逍遥登髙城。 翺翔して長流に戲れ、逍遥して髙城に登る。
東望看疇野,廻顧覽園庭。 東を望みて疇野を看、顧み廻らして園庭を覽る。
嘉木凋緑葉,芳草纖紅榮。 嘉木は緑葉凋ち,芳草は紅榮して纖し。
騁哉日月逝,年命将西傾。 騁するかな日月は逝き、年命将に西へ傾かんとす。
建功不及時,鐘鼎何所銘。 功を建つるに時に及ばざれば、鐘鼎何の銘する所あらん。
收念還房寢,慷慨詠墳經。 念ひを收め房に還りて寢ね、慷慨して墳經を詠ず。
庶幾及君在,立徳垂功名。 庶幾くは君の在るに及び、徳を立てて功名を垂れん。
野山を程よく巡ればその時には気持ちがゆるやか、秋風は涼しくそして清らか。
がらんとした居住まいに心は楽しまずいれば、言伝が友より届く。
ばさばさ空を飛んで長い川の流れに遊び、ふらふら歩いて高台の城に登る。
東を望んで田野を見て、あたりを見回して庭園を見る。
美しい木からは緑の葉が落ち、かぐわしい草は紅く栄えて細い。
走り抜けているのだな、月日は逝き、己の寿命は西に傾こうとしている。
功績を打ち建てることをこの時にしなければ、鐘や鼎に何を刻む内容があるだろうか。
想いを収めて自室に戻って寝て、激昂して三墳、五経(という書物の内容を)吟じる。
願わくは主君がいるうちに、徳行をうち立てて功名を世に知らしめたい。
☆騁哉日月逝,年命将西傾。
老いて寿命が近いことを西に傾くと言っているのは「日月」を受けての表現だが、実際に眼前で太陽が沈むさまに己の運命を託したと読むと、より後に続く表現の切迫感が伝わってくる。
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