第5話 迷いのダンジョン
俺は剣に向かって伸ばしていた手を途中で止める。迂闊に握って罠だったら、最悪その場で死んでしまうだろう。とにかく、どんなトラップが仕掛けられても平気だと胸を張れるくらいにレベルが上がってから、このイベントに挑戦した方がいい気がする。
そう言う結論に達した俺は、剣を抜くイベントを後回しにした。やはり冒険は慎重が一番だ。好奇心に任せて失敗したら、俺を呼んでくれたルルアやシーリィに申し訳が立たない。
「ヨシ!」
俺は強敵を求めて冒険の範囲を広げる。今まで足を踏み入れていなかったエリアはやはり俺の知らない敵がいて、強敵である確率が高かった。知らない土地には知らない何かがある。レベルを上げるために、知らない場所には積極的に挑んでいった。
そう言う冒険を繰り返している内に、俺の目の前に未知のダンジョンが現れる。このエリアにダンジョンがあると言うのは寝耳に水だ。つまりは誰も知らない領域と言う事になる。
「えーと、ちゃんと準備出来てっかな……」
俺はダンジョンに入る前にしっかり準備が出来ているか確認。カバンの中には食料とポーション類、武器や防具の予備とダンジョン探索用のアイテムが十分揃っている。
しっかりチェックをして不足するものなしと判断した俺は、この謎のダンジョンに足を踏み入れた。何かいいお宝も眠っていればいいな。
ダンジョンは真っ暗で、光魔法の光球を浮かばせて奥へと進む。モンスターも出てくるものの、光に弱いのか光球を避けていく。明かりがいいモンスター避けにもなっていた。
敵に襲われないので調子に乗って歩いていると、見覚えのある景色が見えてくる。
「あれ? この岩、さっき付けた目印がある」
どうやら俺は迷ってしまったらしい。今までこんな事はなかったから、ダンジョンが幻覚を見せる仕組みになっているのか、どこかで魔法のループトラップがあるのかも知れない。
慎重に歩いていたはずなのに、ダンジョン内のおかしな雰囲気にすぐに気付けなかった事に俺は落胆する。
「しかし、どうしようかな……」
進むぞ!
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648991621073
引き返すぞ!
https://kakuyomu.jp/works/16817330648988682894/episodes/16817330648991725628
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