第3話 【ひとりかくれんぼ】という名のデスゲーム

第3話


「もう………本当にどうすれば良いのよ、コレ…………」


あの変なアナウンスが終わった後、私は教室を出て真夜中の学校を探索していた。


本当なら動かない方が良いのだろう。


でも、それじゃ駄目な気がしたのだ。


だから、怖くても………怖くて仕方がないけれど、外へ出てみた。


「暗いけど、それ以外は普通なのね………」


真夜中なだけで、校舎は普段通りの様相を見せていた。


唯………


「こんなに花瓶、多かったっけ?」


見渡す限り、色々な所に花瓶が置いてある気がする。


不謹慎というか、悪質というか、他の教室の机の上にもちょこちょこ置いてある。


「嫌な感じ………」


ちょっとだけ不快だ。


いや、こんな状況に無理矢理置かれてしまった時点で、不快感などとうに振り切っているのだけど………


「そもそも、今何時よ………」


今の私には時間を確かめる術が無かった。


教室に在る時計は暗くて針が何処を指してるか解らない。


スマホは多分、私の部屋に。


腕時計もスマホを手に入れてから無用の長物な上に、そもそも着けたまま寝ない。


「どうしたら良いのよ………」


せめて、時間さえ解れば、どれくらい耐えれば良いのか覚悟できるのに………


【ピンポンパンポン♪ピンポンパンポン♪】


「きゃっ、いきなり何よ!?また、コレ!?」

『はい、またコレですよォ〜♪』


何かイラッとするわね………


何処かで私の声を聞いてるのかな?


『さてさて、経過報告ゥ〜経過報告ゥ〜♪皆様は2時まで生き残りましたァ〜♪ドンドンパフパフ♪ドンドンパフパフ♪♪』


う、ウザい………


『なのでェ〜此処から先はァ〜本気モードですッ〜♪』

「本気………モード…………?」


何それ、今から本気出すって奴?


『せいぜい生き延びてェ〜くださいねッ♪』


そう告げて、アナウンスが終わる。


─────その瞬間。


『きゃあぁぁっ──────』

「嫌っ、何よコレ!?」


何処からか、誰かの悲鳴が聞こえてきた。


それと同時に、脳内に変なイメージが湧いてきた。


『嫌っ、やめて!!!』

『やだよォ〜だッ♪じゃあ、君はゲームオーバーだよッ〜♪』


見知らぬ女の子が、クマの人形に刺されて殺される光景。


そして、何より恐ろしかったのは………


『ぁ、ああッ─────』

『仲間ッ♪仲間ッ♪仲間がァ〜ふえた』


刺された女の子は少しずつ毛糸に覆われていき、無理矢理に凹ませた様に縮んでいく。


そして、その様相は人からクマへ………


『私、君、トモダチ♪』

『うんッ♪今日から君はァ〜僕達と同じクマさんだッ♪♪』


彼女は完全に人からクマへと変貌していた。


「うっ………」


は、吐き気がする………


もしかして、コレが………


『はいィ〜これが敗者の末路ォ〜ですッ〜♪でも、幸せですよねェ〜?死んでもォ〜私達の仲間にィ〜なれるんですからァ〜♪』


最悪の間違いでしょ、コレ………


続く

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