第2話 始まりは草木が眠る丑三時

第2話


リコside


『起きて〜起きてよ〜リコちゃん♪君が最後だよ?』


────誰?


────何で私を呼んでいるの?


私はまだ寝ていたいのに………


『起きないとォ〜殺しちゃうぞォ〜〜♪』

「ひっ、えっ、クマちゃん!?ていうか、此処は何処!?」


その言葉にビックリして飛び起きた瞬間、目の前にはクマちゃん(人形?)が居た。


しかも、見知らぬ天井と部屋が広がってるではないか。


もしかして………


「────誘拐?」

『大正解ィ〜♪厳正なる審査の結果ァ〜君は僕達の遊びにィ〜参加しましたァ〜♪』


審査?遊び?参加?


聞きたい事は山程あるけど、先ずは………


「何でクマちゃんが喋ってるの!?スピーカーでも中にあるの!?」

『えっ、聞く所そこなの?遊びとか、ルールとか聞く所でしょ、普通。』

「あっ………」


言われてみればその通りだ………


でも、誘拐犯?らしき人?に言われるのは何ともなぁ………


『〜〜〜〜って、違う♪ルールを聞かないおバカさんにはァ〜説明なんてェ〜いらないよねぇ〜?』

「あっ、ちょっ、待っ────」

『【ひとりかくれんぼ】の始まり始まりなんだよォ〜〜♪♪』


☆☆☆


「痛いっ!ッッッこ、此処は………」


急に視界が暗転したかと思った瞬間、上から落とされる。


その時に痛めた腰を擦りながら立ち上がると、目の前には………


「此処って、私の高校?」


完全に私の知っている、現在進行形で通っている高校、その真夜中の姿が広がっていた。


しかも、それだけじゃなかった。


「私のクラスじゃない!!」


暗いから解りにくかったけど、私のクラスの教室だった。


私が置いて帰ってる教科書とかも在るし、間違いないだろう。


でも、何で………


【ピンポンパンポン♪ピンポンパンポン♪】


「ひっ!?何よ、もぅ………」


急に大音量でチャイムが流れ始める。


絶対に音量間違えたでしょ………


『はいはいィ〜此処に集まった少年少女諸君達ぃ〜?イエ〜イ、聞いてるゥ〜?』


ウザい、果てしなくウザい始まり方だ。


ちゃんと話す気あるのだろうか?


『これから【ひとりかくれんぼ】を始めちゃいまァ〜すゥ〜♪』


だから、その【ひとりかくれんぼ】って何なのよ!?


『説明を聞かなかった貴女が悪いですよね、チームナンバー10。それなのに自分を棚に上げて非難してくるのやめてくれます?』


正論やめてくれる!?


ていうか、私はナンバー10なの!?



『もし、死にたくなかったらァ〜朝まで隠れてェ〜生き延びてねッ♪♪♪』


無視するな!


────と、こんな感じでアナウンスが終わった。


結局、何が何だか全く解らなかった。


唯一つ解る事があれとすれば………


────私はとんでもない事件に巻き込まれたという事だけだ。


続く

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