選択Ⅱ
「私たちが原因でこうなっているっていうの??」
RRAIはレアの手をとりながら、踊るように喋りつづける。二人の姿形は本当にそっくりでRRAIが喋り続けなければすぐにどちらかわからなくなるようだった。
「私が“頭の中の声”から聞き取ったのはそうね“私たちが未来を予知し、そのために多くの次元が同じ未来を選んだのでそれぞれが複雑な別々の未来を選ぶはずが、同じ未来ばかりになり、その枝葉同士が衝突をはじめた”」
ザドは、RRAIと会話しながらじりじりと距離をつめていた。気づかれないように、静かに、しかし、もう少しで手が届きそうだというところまできてRRAIがふっと、こちらをにらめつける。そのとき、RRAIは、レアをもちあげ、怪力によってふたたび木の上に姿を消してしまった。
「ちょ、ちょっとRRAI!!」
ふとその瞬間、背後から不気味な気配を感じたとおもったら、ジュドーがまたもタックルをしかけてきた、次に特殊銃を彼特製の双剣へと変化させた。緑に光る刀身は、触れた場所にツタをはびこらせ、身動きをとれなくする。
「厄介ね!」
アデルが加勢にいこうとしたが、すぐにザドがアデルに向かって叫ぶ
「大丈夫よ!それより……もしものときにクラウンズを動けるようにしておいて、私が言った通りに、RRAIをうつの!」
「わかった」
アデルは自分が消耗しきっているのはわかっていたので、クラウンズと顔を見合わせて、頭上に目をむけた。クラウンズは動揺していた。彼らはほとんど下っ端の雇われ兵で、内部の事はしらない、呼ばれてきてみればクラックスがなぜか仲間割れをはじめているし、なぜかRRAIがいるし、ただ、アデルの言葉をまっていた。
ジュドーは激怒していた。
「お前の、お前たちのせいで、お前たちが輪を乱すからこんなことに!!」
「仕方がないでしょ、私は妹を守りたかったのよ!!」
「俺には家族なんていたことがない、だから、チームはホームだったんだ、だからいつもおびえていた、お前たちのようなやつが現れ、輪を乱すという事を、その未来を!!」
ジュドーは本気でおこっていた。その目は真っ赤に充血し、アデルや自分への失望にみちていた。その気迫と雰囲気におされ、一瞬ザドはたじろいでしまった。そこでジュドーが畳みかけるように、左手の剣でザドの頬さきをきりさこうとした。
《シュン》
狙いははずれたが、その瞬間、ジュドーは叫ぶ。
「いまだ!!」
《バシューンッ》
後ろをふりむくザド、そこではロウルが、端末からドローンに命令しているらしく、ロウルのドローンが上空から網を射出したところだった。ザドはあえなくそれにからめとられ、身動きが取れなくなった。
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