脱出

 RRAIと別れ、迷路のような道をなんとかキュラーの助けを得て、ザドとアデルは地上へ駆け上がっていく。やがてコロニーだった頃にあっただろう最後の階段をかけあがると、地上から光がさし、太陽がみえてきた。三人は無事に出てきた事を喜び合い、抱き合って喜んだ。ザドが感謝を述べる。

「ありがとう、アデル、ここまで私をかばってくれるなんて」

「大丈夫だ、いつもいっていただろう、僕が君に伝えた中で一番重要な言葉はなんだ?」

「信念を大事にしろ」

「そうだ、それさえあれば、君たちに居場所はあるし道は開ける」


 その後ろに、人影があった、体中がぼろぼろになりながらもアンドロイドの手をかわし二人の背後にぴったりとついてきていたジュドーだった。

「動くな!!」

 ジュドーがそういってクラックス専用銃を構えて、地下の暗がりからあらわれた。片足と怪我しているようで足をひきずるようにしてはいでてきて、くらくらする体でまだ、にらみをきかせている。

「しつこいな、ジュドー」

 アデルがいう。ジュドーの事を見下すようにして軽蔑するような目を向けて。

「君が!!アデル、君が僕らにすべてを教えた、君はチームのリーダだった」

「だから?」

「チームワークを大事にしろと俺に教えておいて、君はそれに反する事をするのか?」

「ジュドー“真実”が歪んでい時に、何が目的になるのか、チームは何を目指すべきなのか、考えるべき時がある、お前は俺のおやじの事を深くしらない、あいつの狂気を」

 アデルはそういいながら両手をあげつつも、ジュドーに近づいていく。

「動くなって!!実弾を込めているんだ!!」

 ジュドーの額から汗がながれる。

「誰かかを撃てばチームワークはきえるな」

 そういいながら三人に順番に照準をむけて、最後はアデルに向けた。

「お願いジュドー、私たちは結局どちらかが死ぬか不幸に見舞われる運命にある、その決着をあと半月できめるから」

「……」

 ジュドーは一瞬うごかなくなり、のそのそとはいでてきたが、足の怪我が深いようで、影で見えなかったが光があたると右足が真っ赤で思ったより出血していた。はいでてきたさいに、ながれでる血を彼が引きずるほどに。レアが心配して叫んだ。

「ジュ、ジュドー……ご、ごめんなさい!!」

「フッ、お前たちは、チームとは別の絆で結ばれていた、それにこの状況……三体一、どうにもなりゃしない、俺も深手をおったとうただけだよお前たちの決意を」

 《バタリ》

 そういうとジュドーはその場に倒れてしまった。アデルが急いで止血をして、応急キットで治療するとなんとかジュドーはゆっくりと息を続けるようだった。

「こいつは俺が引き受ける」

「アデル、本部にどうやって説明を……」

「大丈夫だ、なんとかやるさ、もともと助けに行くつもりだった」

 そういいながら、アデルは複雑な表情でわらった。


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