詩 綺麗なままで枯れたかった

仲仁へび(旧:離久)

第1話



「私が花であるならば」


「綺麗なままで枯れたかった」


 あのとき死んでいればよかった


 綺麗なままで 終わっていたかった


 あなたの思い出の中に残る私は


 みじめな姿にしたくなかった


 きらきらと輝いていた


 絶望なんてなかったころのままで


 残っていたかったのに


「どうして」


 なぜ ここにたどり着いてしまったの?


 救いになんて こなければよかったのに


 こんな死の国に咲く花なんて


 ロクな花なんかじゃない


 きっと醜くボロボロで 酷い臭いを


 放っているでしょう


「私をみじめにしないでほしかった」


「それとも、あなたを責めるより」


「死んでいたほうがよかった?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩 綺麗なままで枯れたかった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ