カフェ屋の店員さんに半年間振られ続けてる俺ですが最近振られるまでにためがあるような気がします。あの〜顔を赤くしてどうしたんですか?
第7話 物事が反転した状況下に置いて外野の一言はカオスへの入り口となる
第7話 物事が反転した状況下に置いて外野の一言はカオスへの入り口となる
「で、で、デートですよ? ちゃんと意味分かってます!?」
美月さんの思わぬ返答に思考が追いつかない俺は慌てて美月さんの真意を確かめようとする。
「わ、分かってますよ。私だって。馬鹿にしないでください」
「て、手を繋いだり、一緒にレストランとか行って食べたり、あまつさえ「あーん」とかしちゃったりするあのデートですよ!?」
「……妙に可愛らしい気もしますがそのデートです。えぇ!」
しかし、ほんのり頰を赤く染めた美月さんにそう言い切られ俺の脳内は限界を迎える。
アハハ、ウフフ、楽園は存在したんだぁ……って待てよ。本当の本当に本当だろうか?
美月さんが嘘をつくのは想像が出来ない。
しかし、美月さんからデートに誘われるのも想像つかない。
考えても仕方ないことだ。素直に聞くとしよう。
「ほ、本当になんですよね?」
「南沢さんは私が嘘をつくような女だと思ってたんですか?」
「そうじゃないんです。そんなことは思ってないんですけど……正直実感が湧かなくて」
「そう……ですか」
美月さんは俺の言葉を聞くと何故か顔を辛そうに歪ませる。俺には分からない。美月さんが何故俺を誘ってくれたのか。なにか意図があるのか……それとも。
そしてお互いに沈黙してしまい微妙な雰囲気へとなっていく。
そして、そんな俺たちの様子を見て野田さんがため息をつき冷静な指摘をする。
「アンタらそんなんで本当にデート出来んの?」
「「うっ」」
「正直、お互い黙り合って破滅エンドしか見えないけど」
「「ぐはっ」」
「だから____」
野田さんはそこで言うと
そして、すぐになにかを決心したような顔で口を開く。
「私も……行こうかな?って」
「「えっ!?」」
野田さんの思わぬ返答に俺も美月さんも固まってしまう。
「の、野田さんそれはどういう……」
「だーからアンタらので、デートに私がついて行って付き合ってあげるって言ってんの!!」
「それ何ギレ!? 急にキレる最近の若者怖いんだけど!?」
「最近の若者がなに言ってるし!!!」
何故か怒っている野田さんがそんなことを言うので俺は戸惑ってしまう。というかなんで本当に怒ってるんだ?
「照れ隠し……とか?」
「ち、ち、違えーし! アンタらのデートに介入してぶっ壊してやろうなんて気……ないんだからね」
「壊すの!? なに、その嫌すぎるツンデレ的な感じの態度」
「女子をやるのは気が乗らないから南沢だけボコす気なんてないんだからね!」
「美月さんに手を出さないのは正解だけども出来れば俺にも手を出さないでくれるかな!? あと、なんで大体野田さんがわざわざそんなことを……」
恐らく野田さんにだって用事はあるだろうに、野田さんはそれを気にもしないかのうよな態度だ。正直、何故そうまでしてくれるのか分からない。理由がないからな。
「そ、それは……美月さんとアンタがくっつくのを阻止するというか、あとはアンタと純粋に遊びに行きたいってのも……うぅ」
「ゴメン、聞こえないんだけど」
「う、うっさい。理由なんてないわよ。なんとなくよ。なんとなく!」
野田さんにそう言い切られ……俺はなにも言い返せなかったわけで……。
「そこ! 地の文で可哀想な感じを出さない!」
「見破られてる!?」
「な、なんとなくよ。……それよりアンタ、そんなに美月さんと2人っきりで行きたいわけ?」
「勿論! というかデートってそういうものだろ」
横の美月さんもどうやら同じ意見のようで少し恥ずかしそうにしながらも、コクコクと頷いている。
それが普段のクールでカッコいい感じとのギャップで更に可愛さを引き立たせて……。
えっ、なにこの天国タイム。夢だったりしないよな?
「でも、今そんなんで当日楽しめるのか?」
「「うっ」」
「私がいれば上手く取りはからって場を盛り上げることも出来る……楽しくないデートでいいの?」
「「そ、それは!」」
俺と美月さんは思わず声を上げてしまう。俺としては美月さんがどんな気持ちで俺を誘ってくれたのかは分からない。けど、デートを折角してくれるんだ。
こんなチャンス二度とないかもしれない。だったら、少しでも美月さんに楽しんでもらいたいってのが本音だ。
そして野田さんはデートを楽しくしてくれると言っている。
「くっ、悪魔のささやきみたいだ」
「て、天使って言っても構わないし?」
「悪魔のささやきみたいだ____いててっ。無言で腕捻るのやめてって」
「私は……それでもいいですよ」
「「えっ!?」」
そしてしばらく黙っていた美月さんがそんなことを言う。思わず俺と野田さんは固まってしまう。……いや、野田さんが提案したからその反応は変だぞ。
「そ、そうなんだ。美月さんもこう言ってるし南沢……どうするの?」
「いや、どうするもなにも____」
「は、はーい。君達お困りみたいだね」
俺がどうするべきか悩んでいると後ろから肩を叩かれる。姿を現したのは相田さんであった。
「あ、相田さん……さっきは大丈夫でしたか?」
「う、うん。……なるべくその件は早く忘れてくれると助かりますね」
少し恥ずかしそうに顔を逸らす相田さんは次の瞬間には俺に目を合わせる。そして。
「話は聞かせてもらいましたよ〜。どうやら美月さんが抜けがけ____エフン。南沢くんをデートに誘ったはいいもののお2人とも困っていて、そこにそちらのお客様が助け船を出したってことですよね?」
「は、はい。大体の流れはそんな感じですが……」
「なら、私も行かせてください」
「「「へっ?」」」
「私も行かせてください。2人より3人、3人より4人です」
更なる爆弾を投下するのだった。一体なんなんだよ! みんなして俺のデートに割り込もうとして!
あれか? 美月さんにお前ごときが近寄っていいわけないだろっ感じか? もう、よく分からないんですけどぉぉぉぉぉ。
混乱極まる現状に俺は頭を悩ませるのだった。誰か、教えてくれ! 一体、どうしたらいいんだぁぁぁぁぁ。
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次回 混乱は更に極まっていく? カオスですね。……店長の毛根がどこまで保つのでしょうか?
今日は休みなのでもう一話投稿出来るかもです。是非是非、星や応援お願いします。更新スピードが少し上がるかもです。
では!
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