第4話 野田さんのカフェ屋の店員二人斬り


「……本当に来るのか?」

「私が冗談言うわけないでしょ。さっさといくよ」


 授業も終わり帰りの準備をしていると野田さんが目の前に来て行くとのこと。あれ、本当だったんだ。


「えぇ〜警察沙汰とか勘弁だからな」

「しないっつうの! アンタ本当に私にどんなイメージ抱いてんのよ」

「指名手配?」

「私なにしたのよぉぉぉぉ」

「懸賞金50000000ベリー?」

「私どこの世界線に紛れてるのよ!? 冗談はいいから早く行くし!」

「えぇ〜」

「なんでそんなに嫌がるのよ。ほら行く!」

「あっ、ちょっおい!」


 俺は抵抗をする俺を野田さんはそんなことを気にも留めず俺を引きずって教室を出るのだった。……めっちゃ注目を浴びてる気がしたけど気のせいだろう。気のせいってことにしてくれ! マジで!



 *


「……にしてもアンタなんでそんなに私と一緒に行きたくないのよ」


 俺の隣を歩く野田さんは少し不満そうに頰を膨らませながらそんなことを呟いた。

 ……嫌って言っても野田さん無理矢理ついて来てんじゃん。という言葉はなんとか腹の中にしまい込み俺は口を開く。


「なんかさ、美月さんと2人で話せないじゃん! いつもなら2人きりなのに」

「……刺すよ?」

「怖!? 誰を!?」


 野田さんの周りにドス黒いオーラが渦巻いていく。俺そんな悪いこと言ったか?


「んで本当は?」


 野田さんは急にそのオーラを緩めると目を鋭くして聞いてくる。……なんでこんなに鋭いんだろうな。


「はぁ、俺なんかと帰ったら変な噂されるって話だよ。野田さんにも好きな人くらいいるだろうし変な勘違いされるのは良くないだろ?」

「……アンタはなんでそこまで気を遣えるのに、肝心の部分に気づけないんだろうな」


 野田さんが呆れたように天を仰ぐが意味が分からない。もしかして……野田さん好きな人がいないのだろうか? そうか。それだな。


「お褒め頂き光栄です」

「褒めてないし。……はぁ、お先に真っ暗だわ」

「そうか大変だな。にしてもさっきから鏡でそんなに髪を気にしてどうしたんだ?」

「……ライバルに会いにいくんだから舐められないようにする為よ」

「ん? なんて?」


 あまりに声が小さく聞き取れないので仕方なくもう一度聞くとする。


「なんとなく。女子ってそういうものなんよ」

「ふーん、そんなもんか」


 なんかさっき言ったのと違ったように感じたが野田さんがそう言うならそうなんだろう。

 俺は特に気にすることなくカフェ屋「マカロン」へと足を進めた。


 *


「いらっ……しゃいませ?」

「相田さんこんにちわ。ってどうしたんです? 急に固まって」


「マカロン」に入ると相田さんが出迎えてくれたのだが俺達を見るなり突如として固まってしまったのだ。


「南沢、どうしたんだこの店員さん? もしかして、この人が美月さん?めっちゃ美人さんだけど」

「いや、この人は相田さんだよ。なんで固まってるかは全く分からんけど」

「そうか、不思議だな」



 俺と野田さんが首をかしげていると固まってしまっていた相田さんが声を発する。


「な」

「「な?」」

「南沢くんが女の子連れてるぅぅぅぅぅ」


 店内に相田さんの絶叫がこだまする。


「本当にどうしたん。この店員さん?」

「普段は落ち着いてるんだけどなぁ。今日はなんか変だな」


 普段なら俺に対してからかいを入れて来たりリップサービスとか、落ち着いている大人のお姉さんって感じなのだが目の前の相田さんにその様子は欠片かけらもなくアワアワと頭を抱えていた。


「美月ちゃんが手を出さないから大丈夫だと思ってたらこんなことに……。うっううぅ、もう少し責めておくべきだったかも」

「あ、あのぉ相田さん?」


 何故か泣き始めてしまった相田さんに戸惑っているとコツコツと聴き馴染んだ音が聞こえてくる。


「相田さん、どうしたんですか?」

「美月さん!」


 そう、俺の女神こと美月さんである。早速会えるなんて今日はついてるなぁ。冷静な美月さんのことだ恐らく相田さんをなだめて冷静に対処するだろう。


「えっ!?」


 しかし、美月さんも俺達を見るなり固まってしまう。


 そして。


「な、南沢さんがお、女の子連れてるぅぅぅぅぅぅ」


 絶叫するのだった。



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 次回 いよいよ開幕女のバトル。仕掛けるは野田さん?


 少しでも続きが気になったり面白いと思ってくださった方は星や応援お願いします。少し更新スピード上がるかもです。(テンションが上がるので)


 では!



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