第25話

印についての説明


「やっぱり、僕が行った方が良かったかなぁ。」


ルベウスを待つ僕とアメジスさん。

僕が言い出したことなのに、こうやって待っていることに少し罪悪感を覚える。

自分の言ったことのせいでルベウスに何かあったらどうしよう....。


「ルベウス大丈夫かな..。今からでも僕行こうかな....。 」


「心配しなくてもルベウスの実力だったら大丈夫だろう。何かあったらすぐ帰ってくる。」


「そっか....。うん、そうだよね。そんなに心配しなくて平気だよね。」


それに何かあったら伝達魔法で連絡が取れるようになってるしね。

ちなみに伝達魔法というのは、思い浮かべた相手に連絡が取れる魔法だ。

僕が安心しているとアメジスさんは少し考える素振りをして、口を開いた。


「ルベウスのことはいいが、一番の問題はサフィニアの言っていたエルフ達の方だろうな。」


「え?どうして?」


「サフィニアは部屋の鍵は開いていたと言っていただろう?なら何故エルフ達は部屋から出ない?自分達の意思で出る必要がないと思っているのならいいが....。」


確かに、何で扉は開いているのに逃げてないんだろう?

あいつって言うのは貴族のことかと思ったけど、実は別の人だったとかなのかな...?


「貴族の人は本当はいい人だったのかな?」


「その可能性はあるが、もしかしたら魔法でなにかしている可能性は高いと思う。」


「何かしてるってどんなこと?」


「あの部屋の外は認識阻害魔法がかけられていたのだろう?では、中には外に出られないように魔法をかけているのかもしれない。もしくは出られないとエルフ達に暗示をかけているとかな。」


確かにそれなら外からの助けは来ないし、エルフ達が逃げることも心配しなくていいのか。


「まあ、これは憶測に過ぎない。貴族がいい人だったということも有り得る。」


うーん、結局のところはルベウス待ちかぁ。

モヤモヤしながらルベウスを待っていると、アメジスさんが何やら魔法を発動していることに気づいた。

もしかして、ルベウスから連絡?

何かあったのかな......?

しばらく何か話した後にアメジスさんに話の内容を聞いた。


「何かあったの?」


「あぁ、ルベウスがエルフ達を連れてこちらに向かうと言っている。どうやらエルフ達が逃げなかったのは印をつけられていたかららしい。自分じゃ解除できないからどうにかしてくれ、だそうだ。」


「印って?」


「印はつけたものの位置を知ったりできるものだな。基本的な使い道は座標が必要な魔法に使ったりするものだが、奴らは逃げるエルフ達を捕まえる為に使っているようだ。」


逃げないんじゃなくて逃げられなかったんだ....!


「じゃあ、その印消さないといけないじゃん!アメジスさんできる?」


「いや、私は元々そういう魔法は得意ではないからな。時間をかければ出来なくはないが...。」


時間をかけれる状態でもないもんね。


「じ、じゃあどうしよう?」


「サフィニアに任せてもいいか?」


「え、僕に?」


「そうだ。サフィニアは私の従属の魔法陣を解除できていただろう?」


そういえば僕、解除してた!

けどあの時は無意識でやってたからどうすればいいかわかんないよ..。


「大丈夫だ。サフィニアはもう既に解除が難しい魔法を解除ができているんだ。印何てものはあれよりも簡単だ。」


簡単って言っても....出来るかなぁ?

でも僕しかできる人がいないんだもん。

僕がやらないとだよね。


「頑張ってみるね!」


ルベウスが来るまで魔法を解除するイメージをできるようにしておこう。


「おーい!アメジス、サフィニア〜!」


暫くしてルベウスとエルフ達がやってきた。


「あ、ルベウスおかえり。」


ルベウスが抱えていた二人を僕たちの前に下ろす。


「それでどうにか出来そ〜?」


ルベウスがアメジスさんにそう聞く。


「サフィニア、出来るか?」


「わかんないけどやってみる!」


出来るかはわからないけど、僕が言い出した事だし僕がやらないとね。


「何するつもりなの?」


「見てればわかるよ〜。」


二人の会話を聞きつつ、僕はアメジスさんに触れると先程のイメージを思い出して魔法を発動させた。

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異世界に転生した僕は強い仲間と世界征服を目論みます!! いちごあめ @Runa13

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