第19話
パーティを組むことになった僕たちだったがもう夜ということで一度解散し、また明日ギルドでパーティ登録することになった。
宿屋に帰った僕は、少し気になることをアメジスさんに聞いてみた。
「そういえば、アメジスさんとルベウスはどうして幻術魔法を使っていたのに人間じゃないってわかったの?」
「それは私は魔力の流れが見えるからな。あいつの周りに不自然に魔力が流れているのが見えたんだ。何かあるのかと気になって視覚を強化して、正体がわかったんだ。獣人は元々五感が鋭いものが多いからな。それでわかったんだろう。」
「そうだったんだ...。」
だから、アメジスさんそこまで対応が酷くなかったんだ。
なんだか仲間はずれにされてたみたい。
「伝えなくて悪かった。」
「......今回は許すけど、次やったら本気で怒るからね!」
「あぁ、次から気をつける。」
僕以外の人にあんなに喋るから好きになっちゃったのかと思った。
こんなこと考えてる僕ってもしかして、相当独占欲強いのかな。
そんなことを考えつつも、明日のために今日はもう寝ることになった。
まだリュンヌに来て、二日しか経っていないのになんだかすごく長い時間ここにいたような感じがする。
朝起きた僕たちは約束の時間になるまで、宿屋で少し過ごしてから、ギルドに向かった。
ギルドの前につくと、まだルベウスはついていないようだった。
それからルベウスを待つこと一時間。
やっとルベウスがやってきた。
「遅いよ、ルベウス!」
「いや〜ごめんごめん!完全に寝過ごしちゃった。」
「全く!気をつけてよね!」
一時間の遅刻はどうかと思う。
やっぱり猫の獣人だからマイペースなのかな。
ルベウスがやっときたので、僕たちはギルドに入る。
そして受付まで行き、パーティ登録をする。
「はい、これで登録完了です。」
パーティ登録はすぐに終わった為、そのままダンジョンに向かう為にギルドを出ようとしたところで、受付嬢に止められた。
「パーティを組んだばかりなのですが、お願いしたいことがあります。」
「お願いしたいこと、ですか?」
「はい、まあギルドからの依頼という形になります。実は他の町に行っていた商人がいるのですが、もうついていてもおかしくないのにまだ帰ってきていないのです。もしかしたら、途中で何かあったのかもしれないということで、その商人の捜索をお願いしたいのです。」
人探しかぁ。
このあともダンジョン行くくらいしか予定なんてないから僕は構わないんだけど......。
「んー、俺は別にいいけど二人は?」
「サフィニアがいいなら。」
「うん、僕もいいよ。」
「ありがとうございます。では、この地図をお渡ししますね。印がついている場所が向かった町です。」
町とリュンヌはそこまで離れていないみたいだ。
ならそこまで遠くに行っていなければ、すぐに見つかりそうだ。
「では、お気をつけてください。」
受付嬢のその言葉に頷き、ギルドから出ていく。
「まずは、町の方向の門に行ってみよっかぁ。」
そう言うルベウスに同意し、門に向かっていく。
門につくと、商人はいないようだった。
一応門番にも話を聞いてみたが、やはりまだ帰ってきていなかった。
なので僕たちは商人を探すために、国を出て町の方へと向かった。
「やっぱ見つかんないね〜。」
「まだ、全然探してないんだから見つかるわけないでしょ。」
ルベウスが商人を探すのにだいぶ飽きているようだ。
ダンジョンの時はあんなに楽しそうだったのに、やっぱり戦闘狂なのかな。
「うわあああ!!助けてくれ!!」
「叫び声!?」
「あっちからだね。依頼の人かもだし、行こっか。」
「ああ。」
そして僕たちは、声の方に走っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます