第17話
ダンジョンに来た僕たち。
昨日と違って今回はルベウスがいるのだが、ルベウスは僕が思っていたよりも強かった。
ルベウスは動きが早く、敵に素早く近づき剣で倒す。
二人の連携もすごくいし、何故かルベウスが次の層の階段を探すのが上手くて、昨日より早く10層についた。
二人とも攻撃を一切受けないから、練習した治癒魔法を使うことも今のところない。
これ、僕本当にいらないんじゃない?
「いや〜、俺こんな早くここまでついたの初めてだわ。」
僕たちは今14層まで降りてきていた。
流石に10層を過ぎると、敵の数が更に増えてきていた。
「ダンジョンにはよく来るんですか?」
「まあよく来るといったら来るかも?基本的にソロだからそこまで深くは行かないけどね〜。」
ソロで深いところに行くのも危ないもんね。
「そういえば俺たちってちゃんと自己紹介してたっけ?俺は最初会った時に言った気がするけど。」
「ああ、そうですね。僕はサフィニアです。で、この人は...。」
「アメジス。」
「サフィニアとアメジスね。一回言ってると思うけど、俺はルベウス。敬語とか堅苦しいからしないでいいよぉ。よろしく〜。」
「う、うんよろしく。」
「ああ。」
自己紹介を終えた僕たちは、ダンジョンの先に進んだ。
今回の魔物は魔法耐性のない魔物たちのようで、昨日よりアメジスさんは楽そうだ。
そんなこんなで、意外と簡単に僕たちは20層のボス部屋までこれた。
「さて、今回はどんなボスが出るかな〜。」
ルベウスが楽しそうに扉を開ける。
案外ルベウスって戦闘狂なのかな?
部屋の中に入ると、大きな鳥型のボスだった。
鳥なだけあって空を飛んでいる。
「うわぁ...。空飛ぶ魔物って剣当てづらいんだよな〜。」
そう言いながら剣を構え、ボスに向かっていく。
剣で攻撃当たるの?と思っていたらルベウスの剣に風が纏う。
そして、風を纏った剣をルベウスが降ると風の斬撃が飛んでいき、ボスに当たる。
「うーん、やっぱり風だとあんまりダメージ入んないんだよな〜。アメジス、俺に攻撃当てないよう気をつけてよ。」
「善処する。」
そして、ルベウスは壁の近くまで行くとそのまま壁を蹴り、ボスに攻撃する。
アメジスさんはルベウスに当てないように魔法を使っていた。
あんなに身軽に動けるのってすごいな....。
流石にボスと相性があまり良くないのか、ルベウスは少し攻撃を受けたりしていたので、僕が治癒魔法を使って回復していた。
そして、二人の連携もあってボスをやっと倒すことができた。
「いや〜疲れたぁ。やっぱり空飛ぶ魔物苦手。」
「アメジスさん、ルベウス、お疲れ様。」
「あぁ、サフィニアも。」
「僕は特に何もしてないけど..。ありがとう。」
僕とアメジスさんが見つめあっていると
「イチャつくのはいいけど、俺のこと忘れてないよね?」
「あ、もちろん忘れてないよ。」
「うーん、絶対忘れてたなこれ。まあいっか。俺そろそろ疲れたし一旦帰ろっかな。二人はどうする?」
「そうだなぁ。アメジスさんはどう?疲れてない?」
「そこまで疲れてないが、キリがいいしここで一度帰ってもいいと思う。」
「じゃ、一緒に帰ろっか。」
「あぁ。」
アメジスさんがそう言うと、転移魔法を発動する。
今回は街の中に転移したらしい。
「やっぱ、転移魔法楽だよね〜。俺も使いたいわ。」
「使えないの?」
「そりゃ魔力食うからね。使える人なんてそうそういないでしょ。」
え、転移魔法ってそんなに凄かったんだ。
いや、そうだよね。場所を移動できるんだもん。
アメジスさんってやっぱりすごいんだなぁ。
「とりあえずギルド行くけど、その後二人どうする?夕飯食べるんだったら一緒に行こうよ。」
「僕はいいけど....。アメジスさんは?」
「私も構わない。」
「決定〜!じゃ、まずはギルド行こっか。」
ギルドにつき、中に入る僕たち。
「あ、お二人とも来てくださったんですね。これを渡したかったんです。」
受付嬢に渡されたのは、青色のカードだった。
「本当は次は緑のカードなのですが、お二人はダンジョン10層まで既に行けるようなので青色のカードです。」
なるほど。
魔物を倒せない僕からしたらなんだかズルしたみたいだ。
少し複雑。
「セレナさん、俺たち素材売りに来たんだよね。買い取ってくれる?」
「ルベウスさんもいたんですね。はい、もちろん買い取らせていただきます。」
受付嬢に素材を渡し、お金を受け取る。
「三等分だからぁ。」
「え、僕いらないよ。何もしてないもん。二人で分けて。」
「いや、ボスで俺の回復してくれたりしたじゃん。」
「それくらいしかしてないよ。あれで二人と均等はどうかと思う。」
「黙って受け取ればいいのに頑固だね。」
そっちこそ頑固でしょ。
「ふむ。まあ、二人で分けてもいいだろう。どうせ三人で分けたところでサフィニアと私は合わせて使うだろう。」
「..まあ、二人がいいならいいけど。」
半分ずつで受け取ると、
「じゃ、夕飯食べに行こ〜!俺おすすめのところあるからさ。」
「うん、わかった。じゃあそこ行こう。」
「おっけ〜!」
そして僕たちは、ルベウスのおすすめの店に行くことになった。
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