第15話
「はぁ、なんだかすごい疲れた.....。」
宿屋に帰ってきた僕たちは、ベットに腰をかけて話していた。
「そうだな。まさか夕飯を食べるだけであそこまで騒がしくなるとは思わなかった。」
「本当にね。それにしても、アメジスさんモテすぎじゃない?」
いくら僕だけって言ってくれたって、他の人がアメジスさんに好意を持ってるのを見るのはやっぱり嫉妬する。
「嫉妬するサフィニアも可愛い。」
アメジスさんは僕を愛おしいそうな顔で見つめてくる。
「そ、そんな顔僕以外に見せちゃダメだからね!」
「そんな顔がどんな顔かわからないが、サフィニア以外には見せない。」
「そ、それならいいけど...。」
かっこいいアメジスさんのあんな顔見たら皆好きになっちゃうもん。
アメジスさんの表情にドキドキしつつ、僕はアメジスさんに言う。
「そういえば、今日いっぱい魔法使ってたけど大丈夫?何もない?というか怪我してない?」
僕も近くでアメジスさんの戦いを見ていたから、攻撃が当たっていないかも確認していたけど、もしかしたら僕が気づいていないだけで怪我しているかもしれない。
どちらにしても、僕はアメジスさんにくっつくことにした。
「特に怪我はしていないが...。」
そう言いながら僕を後ろから抱きしめてくれる。
「サフィニアとこうしていているのはダメか?」
「い、いいに決まってるよ!何もなくてもどんどんくっついて!」
「そうか。」
もう、アメジスさんって時々こういうことするよね。
僕のことどうしたいんだろう。
「そうだ、サフィニア。魔法の練習、少ししないか?」
「え、いいの?したい!」
魔法の練習かぁ。
どんな感じになるのかな。
「じゃあサフィニア、手を。」
「わかった!」
僕はアメジスさんに言われた通り、手を出す。
そして僕の手を取り、アメジスさんが手を繋いだ。
「今私とサフィニアは繋がった。魔力の流れわかるか?」
「魔力の流れ......。うーん、あんまりわからない。」
「そうか。では、サフィニアに私の魔力をもう少し流してみよう。」
すると、何かが体に流れ込んで来るような感覚がした。
もしかしてこれが魔力かな。
「魔力の流れがわかったか?」
「うん。」
「なら次は魔法を使うイメージをしようか。そうだな..。」
そしてアメジスさんが突然魔法で腕に傷をつける。
「な、何してるのアメジスさん!」
「サフィニアは一度治癒魔法を使っていた。使ったことのある魔法の方がいいだろう。」
「それでも傷をつけることないじゃん!」
「魔法を使ったとわかりやすくする為だ。」
アメジスさんってばもう!
とりあえず早く治さないと!
僕はアメジスさんの傷を塞ぐイメージをした。
「イメージできたか?次は魔力を放出するイメージだ。魔力の流れがわかったならすぐできるだろう。」
魔力を放出するイメージ...。
中から外に出すって感じだよね?
少し頭を悩ませながら、イメージしていく。
すると、
「あ、治ってる。」
いつの間にかアメジスさんの腕の傷が塞がれていた。
「成功したな。おめでとう、サフィニア。」
「ありがとう、アメジスさんのおかげだよ!これで少しはアメジスさんの役に立てるかなぁ!あ、でも魔法を使うにはアメジスさんにくっついてないと使えないから、どっちにしろ戦ってる時は邪魔になっちゃうかぁ。」
「そんなことない。私は治癒魔法を使うのは苦手なんだ。サフィニアが私に治癒魔法を使い、私が戦う。それで私はいいと思うが。それにサフィニアが近くに入れば私も守りやすいし力も倍になるだろう?」
「アメジスさんがそう言うなら......。」
でも、他に役に立出そうなことってないかなぁ。
このままだと僕ただのお荷物だもん。
その方法探すとして、今は魔法の練習もっとしていかないとな。
今の感じだといざってときに発動するのに時間がかかっちゃうもん。
「ねえ、アメジスさん。もう少しだけ練習してもいい?」
「あぁ、サフィニアの満足するまでやるといい。」
「ありがとう!」
それからしばらく僕は魔法の練習をさせてもらった。
流石にまた傷をつける訳には行かないので、アメジスさんに身体強化の魔法をかける形で練習をした。
その甲斐あってだいぶ魔法が使えるようになり、今日のところは練習を終わりにすることにした。
「そうだサフィニア、明日はどうするんだ?」
「そうだなぁ。明日は少し街を見て回りたいかな。それに武器とかも見てみたいし。」
「武器か。まあ、いざという時には必要か。わかったではそうしよう。」
明日の予定を決めた僕たちは、そのまま寝ることにした。
武器見るの楽しみだなぁ。
アメジスさんとかどんな武器使うんだろう。
なんてことを考えながら僕は眠りについた。
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