第22話

 人生は不思議なもので、ある日突然思ってもみない方向に動きだす。



 それは大体「人」によって運命が動き出す。定められてるのではと疑いたくなる程後から振り返れば納得するものだ。



 今までの人生において、心の残る人はいた。  

 その時のキーアイテムにブレスレットがあった。

 別れるちょっと前くらいにそのブレスレットが消えた。

 彼は怒るというより悲しんでいた、私も訳が分からず必死に探した。

 家の中にある事は確かなのに、2度と見つかる事は無かった。

 家が飲み込んだに違いないと思った。


 そこに暗示されていた通り、2人の縁は2度と繋がる事は無かった。

 お互いの成長に対して縁が繋がれて、卒業のタイミングでお互いから巣立つ。

 これも全部「家」と「家」同士が仕組んでるんじゃないかとも思う。



 私はその時強く誓ったし、願った。

 次に付き合う人は運命の人で結婚すると。

 その時に「何かが」発動されたに違いない。

 

 その巧妙に仕組まれた出会いにまんまと引き合わされた。


 


 音楽が頭の中で流れた。 

 2年前とおんなじだ。

 

 

 彼には私の人格のどこが壊れているかがわかる。 

 希望や愛される自信に対して自分の気持ちに多くの制限や障壁を設けているため、自分らしさを十分に表現できない。


 最も強く願いながら、最も恐れてる。


 彼は私は約束して転生してきた。

 もういい加減心の傷を癒やし、制限から解放されるために協力することを。


 私の中にある機能不全が2年早くあなたを引き込んだ。

 私がどんなに完璧じゃなくても、この人だけは愛してくれるって知ってる。

 なぜかわからないけど確信できるの。

 あなたの存在は私の人生の一部だから。



 この時に帳尻が合わさる様に、これまでの出来事があったんだと驚くほど素直に納得した。


 だから私はコントロールを手放した。

 私が存在するこの世界を信用しているから。


 私が乗っているこの小舟を幸せの方向に運んでくれているのがわかるから、私はゆっくりとカフェオレを飲みながら音楽に意識を向けた。

 薄目を開けて、わくわくしながらこの旅路を満喫するのだ。

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