第17話
さらに歩いていくとお地蔵さんがいました。
周りを囲む小さな竹藪は竹取物語さながら
もし、ここで竹を割ったなら中からかぐや姫が出てくるんじゃないかと思うほど生の匂いを感じました。
お地蔵さんがこちらの反応を試してるかのような重力を感じました。
私は咄嗟に両手を合わせ拝みました。
やたらめったら拝んではいけないと聞いた事があります。
何が祀られてるか分からないから。
そんな事を思い出しながら進んでいきます。
今度は狛犬が2匹何かを囁いています。
こちらと目が合った瞬間何食わぬ顔でぴたりと止まりました。
私は狛犬を見るとオギャーと今生まれてきた赤ちゃんと、今もう死ぬという老人と言うふうにしか見えません。
鳥居をくぐり古ぼけた小さな神社に辿り着きました。
また試されているのだろうかと思いました。
このたぐいのフェーズなのだろうか。
ぼんやり考えていたら刺すような視線を感じました、さっきのような生暖かい生の匂いでは無くはっきりとした黒点のような生の匂いを感じました。
脳内に直接言葉が入ってきて戸惑いましたが、ひとまず指示に従う事にしました。
言われた通りに手水舎の方に歩いていくと、鍵がありました。
それをポケットにしまいもと来た道をもどり、神社を出る時狛犬に問いました。
「なぜ私なの?」
【馬鹿者で若者でよそ者であるから。】
『そして半分づつ持っているから。』
「私はどうしたら帰れるの?」
【お前はその答えを知っている。そのまま一心にに進むがいい。】
『月に捕まらないように気をつけなさい。』
「ありがとう、行ってきます!」
私はまた歩き出しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます