第7話

    You say yes, Isay no

     You say stop and

    I say go go go, oh no


 毎回付き合う男は同じことを言う。

「そんなに構ってやれない」的なニュアンスのことを。

 私は「別に大丈夫」と答える。

 可能性に奉仕することが悦びだから。


 お前がいないと生きていけないなんて男は趣味じゃないの。

 誰かに縋らなくても生きていける。

 だけど、だからこそ一緒に生きたいと思ってくれたら女冥利に尽きるよね。


 会ってない時間、それすらも前戯でしょ?


 お決まりのパターンは決まってて、そんなに上手くいかないものね。

 私の事を好きだって言うくせに、全部を支配したがった。

 自分にとって都合の悪いところを矯正してなんの変哲もない個体にしようとするの。


 私の事を好きって言うくせに、私を殺そうとする。


 愛憎入り混じったものを想いの強さだと信じて注がれることが多かった。

 微量の毒のように身体に蓄積しある日突然致死量に至る。

 発酵なんかとも似ていて、何も変化していないように思えていたものがある時を起点に別の物質に変化する。


 ストーリーは同じで役者が変わるだけ

 その頃の私のお気に入りだったらしく、繰り返し体験していた。


 そんな始まりから終わりまでの流れに対して辟易していたところで、

次はどんなストーリーにしようか鼓動に従いながら意識を飛ばす。

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