第5話 本能
<ヒューゴ視点>
「霞古武術初式:魂気抜刀・空(から)
いくぞ耐えてくれよ」
「小僧それは!!」
この時フェンリルの頭の中には動物としての本能が体を動かしていた
「小僧はここで絶対に殺さねばならんようだ…
獣気解放:人獣の王・フェンリル」
「空 上段!霞古武術:滝」
二人は自身が敵だと認めた相手に向けて本気の技を放った
「相手の動きを止めよ!”大樹の根幹”」
「秘剣一刀:絡繰り」
フェンリルとヒューゴを抑え完全にいなしたのは、ウブロとシェヘラだった
「そこまでだ二人とも矛を収めな」
だがヒューゴは限界だったようでその場に倒れ気絶した
「のぅウブロこやつはいったい何者だ?この年でこの強さはいびつすぎるぞ」
「その話はあとだ、まずは家に戻るシェヘラとあそこの嬢ちゃんを連れて家にこい」
ウブロはすぐに家に向かってかけ始めた
<次の日>
ヒューゴは自室で目を覚ました
「うぅ…なんで家に…」
「ヒューゴ!起きたら下に降りてこい!」
下の階から俺を呼ぶ声がする、昨日の記憶もあいまいだが帰ってきたということはウブロが何かしたのだろう
「やっと起きてきたなヒューゴ話をするからいったん座れ」
「わかったよ、父さん」
ウブロは厳かな雰囲気で座るように言ってきた
「ヒューゴ、フェンリルとの戦いはどうだった?」
「何も隠さずに言うとすれば、勝ち目はないね」
「なるほどな。最後のあの技は覚えてるか?」
やはり、ウブロは最後の技について言及してきたみたいだ
「覚えてるよ」
「あの技はどこで習った?それとも自分で編み出した技なのか?」
「ウブロその辺にしておいたら?あとは私から言い聞かせておくから」
シェヘラに変わるように言われたウブロは渋々外に出て行った
「ヒューゴ、あの技はね私たち大人でも扱いを考えなきゃならないほどの技なのよ。だからウブロは焦ってあなたに聞きに来たのよ」
「あの技は…自分で編み出した技のうちの一つです」
さすがにあれはダメだったようだ
「僕からも一個だけ聞いていい?あの後フェンリルはどうなったの?ウブロが倒してくれたの?」
「そうね、その話もしましょうかウブロ入ってきなさい」
ウブロは昨日のフェンリルを連れて部屋に入ってきた
「よう、昨日ぶりじゃな小僧」
「なんでお前が!ここにきてるんだ!」
とびかかろうとしたヒューゴをシェヘラは抑え込んだ
「落ち着きなさいヒューゴ、あのフェンリルは私たちにとってペットみたいなものよ」
「だけど、あいつは僕のことを殺そうとしてきたんだぞ!」
「大丈夫だぞ、こいつはあくまでお前の最大の力を引き出せるように力を出せとしか言ってない。殺そうとしていたのはそうでもしないとお前が力を出さないと思ったんだろう」
「そうじゃぞ小僧、おぬしはちと危機に対する感覚がおかしくなっておる。じゃからこそ我も殺す気でいかねばならなかったのだ、理解せいとは言わんが許してくれ」
そういうとフェンリルは頭を下げて謝ってきた
「そこまでされると許さないほうがおかしいじゃないか。いいから頭を上げてくれ、今日これだけで話は終わりなの?まだ何か話したいことがあるんじゃないの?」
ウブロとシェヘラは顔を見合わせて話を切り出した
「ヒューゴお前はこの先6年間冒険者としてじゃなく、学園に通わせることになった」
この時、ヒューゴに電流が走る
「はぁ??????!!!!!!!!!」
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