第49話

 二つある。

 そう漏らした僕の言葉。


「えぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!?」


 そんな僕の言葉にアイが驚愕の言葉をあげる。


「おちん〇んが二つあるってことですか!?そ、それは元から……?」


「ち、違うよ!男の子の部分も、女の子の部分も、両方あるってことだよっ!?」


「えぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!?どんな状況ですか!?」


「ふ、ふたなり……?」


 凹も凸もある。

 そんな意味わからない状態だが、日本語にはその状態を示す便利な言葉があった。

 いや、どういうこと……?


「つまり、男でもあるし、女でもあるってこと?」


「いや……男かなぁ?見てよ、見た目。女だよ。多分、ち〇こだけが残ったんだよ。象徴はしぶとかった。ってことでしょ?」


「駄目ですぅぅぅぅぅぅ!アークライトは男の子ですぅ!」


「あばばばばばばばばばば、性別が変わりましたァァァァァァァ!?」


「変わっていないですぅぅぅぅぅううううううううううううう!」


「えっ?あれ?えっ……?ど、どういうこと?アークライトは結局どうなったの?」


「いや、だから、体が女の子で、最後に男の残滓として象徴だけが残った形になったんじゃないかな?」


「えっ?つまりはアークライトはまだ、家にいるってこと?」


「待って!?この人、ただ現実逃避しているるだけだっ!?何も考えちゃいない!?最初の言葉はただの奇跡だっ!いきなり何言っちゃってんの!?」


 僕が呆然としていた中で、他の四人も大慌てし始める。


「へんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ」


「アークライトは、アークライトはぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!」


「いや……冷静に考えてみると、いや、冷静に考えるまでもなく……これ、ちょっと私の計画に……いやぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!?って、ここで私まで発狂すると本当に事態の収拾がつかなくなるわ」


「どうなっちゃったんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!?」


 大きく混乱している三人。


「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ」


 その姿を見ていたは僕は途中で大きな笑い声を浮かべる。


「い、いきなりどうしたのよ!?貴方まで壊れちゃったの!?更に事態が困窮しだすじゃない!」


「いや、自分より慌てているみんなのことを見ていたら、ちょっと落ち着いちゃった……帰ろうか。ここで慌ただしくしているようなことじゃないよ」


 そして、僕はその笑顔を浮かべたまま、みんなに帰ろうと声をかけるのだった。

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