第6話
「ちょっと!?何をしているの!?」
買った少女……商品を受け取りに行くため、オークション会場を出て受け渡し口に向かう途中。みんなとの約束であった男を買うという約束を破り、予算であった100万円を大きくオーバーする買い物をした僕にリーミャがつかかってくる。
「1000万って……そんなお金あるの!?」
「あるから心配しないで。1000万くらいならぽんと出せるから」
「え……?だ、出せるの……?」
「うん。出せるよ」
僕はリーミャの言葉に頷く。
昔、あの男と共にかなりの額を稼いでいたため、お金にはかなり余裕がある。あのオークション会場にいた人達の中で最もお金を持っている自信がある。
「それで……?なんであの子を阿保みたいな大金を使って落札したの?」
「あの子、血界能力持ちだよ。間違えない……それも、僕の求めるポジションに最適の」
血界能力。
それはごく一部の一族。
その中でもさらに少ない……100年に一度くらいで血界能力を生まれながらに持った赤ん坊が誕生する。
血液を操る力だったり、口からブレスを吐く力だったり、幻影を見せる力だったり、その種類は多岐に渡る。
中には水の温度を5℃上げるだけとかいうよくわからない能力もあったりする。
そんな数ある血界能力の中でもあの少女の血界能力はかなり強力……何故ゲームで一回も出てこなかったのか不思議になるくらい世界に愛された能力を持っている。
「え?え?え?……マジで?」
「マジだよ。だから僕があれだけ強硬して彼女を競り落としたの」
「そうなの……ん?なんでそんなことわかるの?血界能力持ちであればあんなに安くなることはない。ということは血界能力は誰にも知られていないはず……なんでわかったの?」
「そういう能力……血界能力とは違うおぞましい能力だよ」
なんてことはない。
お姉ちゃんとのつながりをほんの少し緩め、別の他人に繋がりを繋げるだけでいい。
大変なことなど何もない。
「そ、そう……その能力に関しては首を突っ込まないでおくわ」
「うん。そうしてくれるとありがたい」
僕はリーミャに感謝の言葉を告げる。
「さて、と……商品を受け取りに行くとしようかな。あ、ちょっと荒れるかもしれないけど、すべて僕に任せてくれればいいから」
「へ?」
僕の言葉を聞いたリーミャが呆然と声を漏らした。
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